ライフ

闘病中の大島渚 小康状態保ち、妻とビールで乾杯することも

映画監督の大島渚さん(78)が脳出血で倒れたのは1996年2月。一時は快方に向かったが、8年前、再度倒れて、楽観は許されなくなった。以来、妻である女優・小山明子さん(76)の生活はほぼ介護一色となる。この介護生活について小山さんはこう話す。

「大島が2度目に倒れて要介護5の在宅療養になったときに、死というものを実感しました。でも、死と真正面から向き合いながらも、どうやったら大島が今日一日幸せだったと思えるか、それだけを考えるようにしています。大島の喜びが私の喜びであり、彼を通してこそ私の人生があると思っていますから。

毎日、朝6時半に起きて、一杯のコーヒーを飲み、新聞を読んで英気を養い、大島が8時に起床するのを待ちます。ヘルパーさんの助けを借りていますから、ときには庭の花を見たり、夫婦でビールで乾杯することもあるんですよ。週に2日はデイサービスやリハビリに通っています。でも、週末はヘルパーさんもお休みなので、食事の世話から、おむつ替え、清拭などもやっています」

日々の体調変化は、小山さんが完全に把握。「便や尿も、それが生きている証なので、しっかりチェックします」という。服用する多種類の薬にも、細心の注意が欠かせない。こんな介護の甲斐があって、大島さんは小康状態を保っている。

「当初は介護のこともわからず、併発した糖尿病の食事がつくれない自分を責めて、うつ病にもなりました。どうして私が、どうしてうちの夫に限って、とただ落ち込んでしまったんです。

身なりをかまう余裕もなくて、白髪頭にいつも同じ洋服。そんなとき、リハビリの付き添いに行った先で、『ねえ知ってる? あの人、大島渚よ』と患者さんのひとりに声をかけられ、言葉を失いました。私には気がついてもらえなかったんですから。それからは考え方を改め、自分のことも大切にするようになりました。大島がどうしたら喜んでくれるか、それを考えて、私自身も毎日を楽しもう、と」(小山さん)

※女性セブン2011年3月31日・4月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン