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2011.06.25 07:00  週刊ポスト

大前研一氏「一極集中で首都移転が話題になるのは日本だけ」

 東日本大震災を機に、首都機能移転構想が浮上している。しかし、大前研一氏はこの構想を「地元にカネが落ちるイベントと公共事業の土建工事が欲しいだけ」とばっさり切り捨て、こう語る。

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 そもそも世界を見渡せば、一極集中の解消や緩和を目的とした首都移転の例はない。人工的に首都を建設したのは、多くの場合、首都の座を巡って複数の都市が対立したときである。

 たとえば、オーストラリアは1901年にイギリスから独立した時、シドニーとメルボルンが激しい首都争いを繰り広げて収拾がつかなくなり、妥協の産物として2都市のほぼ中間地点にキャンベラを建設した。しかしキャンベラは、東京で言えば永田町と霞が関だけで構成された潤いのない殺伐とした街なので、みんな週末は自分の地元に戻ってしまう。

 カナダも同様だ。首都の決定を巡って英語圏のトロントとキングストン、フランス語圏のモントリオールとケベック・シティの4都市が激しく競い合い、結局、1858年にビクトリア女王の独断で英仏両勢力のほぼ境界に位置するオタワが選定された。

 ロンドンやパリ、バンコク、ジャカルタなどは東京以上に極端な一極集中だが、遷都や分都の議論は寡聞にして知らない。一極集中を理由とした首都移転が話題になるのは、世界でも日本だけの現象なのである。

※週刊ポスト2011年7月1日号

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