いまインターネットのユーチューブで、一つのCM 映像が話題になっている。韓国の大手通信業者KTのクレジットがあり、「インターネットで大韓民国を世界に正しく知らせる若者たちがいます」と始まる。映像は、韓国の青年たちが打ち込んだパソコンから、Eメールを表わす紙飛行機が飛び出し、世界中にメッセージが届くというものだ。
ただし、そこで届けられるのは、「日本海という呼称を韓国名の『東海』に改めよう」という主張である。近年韓国では、竹島を韓国領「独島」とアピールするのと連動して、日本海を「東海」に改めようというキャンペーンが展開されている。このCMもその一環だった。
「人々はいいます。全世界の地図の97パーセントが『日本海』と表記されているからあきらめようと。しかし私たちはいいます。全世界の地図のうち3パーセントが東海で表記されている、まずそこから始めましょうと」
「韓国が誇るネットの力を使って、『東海』の呼称を広めよう」と大手通信業者がアピールしているのだから、話は穏やかではない。
KTに確認したところ、このCMが流れたのは2005年で、竹島や日本海問題に関しネットを中心に活動するNGO法人「VANK」を応援する目的だったという。
そのCMを最近発見した日本のネットユーザーが騒ぎ立てているわけだが、あれから5年以上経ち、「韓国が誇るネットの力」が、大きな影響力を発揮し始めているのは事実である。
※週刊ポスト2011年7月15日号