ライフ

河口など放射能汚染度が高い「海洋のホットスポット」も存在

本誌では、市民団体「たんぽぽ舎」が運営している「放射能汚染食品測定室」に依頼して、青森から静岡まで、スーパーや市場で売られている海産物100品目について、放射能汚染の調査を実施した。

この調査で、放射性物質が検出された海産物は、100品中28品にのぼり、3割という高確率で汚染が見つかった。福島第一原発から漏れ出た高濃度汚染水は沿岸伝いに拡散し、海洋全体に広がっているようだ。

福島沖は日本海流(黒潮)、千島海流(親潮)などがぶつかり合う複雑な海域だが、文部科学省の「海域における放射能濃度のシミュレーション」によると、汚染水は、4月中旬に茨城県沖方向に移動し、同月下旬には北へ方向転換。一部は潮の流れに乗って外洋に“流出”したとみられている。

放射線防護に詳しい立命館大学名誉教授の安斎育郎さんは、海洋にも周囲に比べて汚染率が高い「ホットスポット」があると指摘する。

「福島沖周辺だけではありません。例えば、河口付近は、空気中に拡散した放射性物質を含む雨が川に流れ込んで、汚染水、汚染泥が大量に集まります。また、海底にはその汚染泥がたまり、放射能濃度が高いホットスポットになりやすい。陸と同じことが海でも起きているんです。調査結果では、魚の種類や水揚げ地によって汚染濃度の差がありますが、そうしたホットスポットが関係しているのではないでしょうか」

※女性セブン2011年7月28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

伊藤沙莉は商店街でも顔を知られた人物だったという(写真/AFP=時事)
【芸歴20年で掴んだ朝ドラ主演】伊藤沙莉、不遇のバイト時代に都内商店街で見せていた“苦悩の表情”と、そこで覚えた“大人の味”
週刊ポスト
総理といえど有力な対立候補が立てば大きく票を減らしそうな状況(時事通信フォト)
【闇パーティー疑惑に説明ゼロ】岸田文雄・首相、選挙地盤は強固でも“有力対立候補が立てば大きく票を減らしそう”な状況
週刊ポスト
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
新アルバム発売の倖田來未 “進化した歌声”と“脱がないセクシー”で魅せる新しい自分
女性セブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン
大ヒット中の映画『4月になれば彼女は』
『四月になれば彼女は』主演の佐藤健が見せた「座長」としての覚悟 スタッフを感動させた「極寒の海でのサプライズ」
NEWSポストセブン
中国「抗日作品」多数出演の井上朋子さん
中国「抗日作品」多数出演の日本人女優・井上朋子さん告白 現地の芸能界は「強烈な縁故社会」女優が事務所社長に露骨な誘いも
NEWSポストセブン
国が認めた初めての“女ヤクザ”西村まこさん
犬の糞を焼きそばパンに…悪魔の子と呼ばれた少女時代 裏社会史上初の女暴力団員が350万円で売りつけた女性の末路【ヤクザ博士インタビュー】
NEWSポストセブン
(左から)中畑清氏、江本孟紀氏、達川光男氏による名物座談会
【江本孟紀×中畑清×達川光男 順位予想やり直し座談会】「サトテル、変わってないぞ!」「筒香は巨人に欲しかった」言いたい放題の120分
週刊ポスト
大谷翔平
大谷翔平、ハワイの25億円別荘購入に心配の声多数 “お金がらみ”で繰り返される「水原容疑者の悪しき影響」
NEWSポストセブン
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
【全文公開】中森明菜が活動再開 実兄が告白「病床の父の状況を伝えたい」「独立した今なら話ができるかも」、再会を願う家族の切実な思い
女性セブン
伊藤
【『虎に翼』が好発進】伊藤沙莉“父が蒸発して一家離散”からの逆転 演技レッスン未経験での“初めての現場”で遺憾なく才能を発揮
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン