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電力不安による海外移転進めば日本の自殺者年間5万人の恐れ

 日本中で電力不安が日々高まる中、製造業の日本脱出が進行している。三井金属鉱業やレンズメーカーのHOYAのほか、半導体メーカーも海外移転を検討し始めている。そうなれば、失業者が増え、結果として自殺者も増えることが懸念される。

 当サイトは以前、震災後、自殺者数が前年より2割以上増えており、それは、「震災のせい」ではなく政治無策が原因だと指摘した。自殺防止に取り組むNPO団体代表も、「自殺対策とは、苦しんでいる人に生きる手段を提示することに尽きる」と訴えた。しかし、この国の政治家は、被災地だけでなく国民すべての希望を奪っている。与党も野党も口を開けば増税の話ばかりだ。

 自殺率は国家体制や経済の危機に上昇することが知られている。日本は終戦後の混乱期、自殺率が世界一だったが、高度経済成長期に急激に下がり、バブル崩壊後、再びハネ上がった。

 ハンガリーは共産党独裁下で自殺率世界一となり、民主化とともに低下、かわって世界一になったのは旧ソ連崩壊で大不況に陥ったロシアだった。

 日本経団連はこのまま海外生産比率が上がった場合、今後5年で300万人の雇用機会が喪失するとの試算を発表している。今の日本で300万人が新たに失業すれば、年間自殺者は3万人から5万人に増えて、再び自殺率世界一になるとも危惧されている。

※週刊ポスト2011年8月5日号

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