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米在住者「すき間家具」「突っ張り棒」と聞き日本を懐かしむ

 おぐにあやこ氏は1966年大阪生まれ。元毎日新聞記者。夫の転勤を機に退社し、2007年夏より夫、小学生の息子と共にワシントンDC郊外に在住。著者に『ベイビーパッカーでいこう!』や週刊ポスト連載をまとめた『アメリカなう。』などがある。帰国が決まったおぐに氏が、「日米の住宅事情の違い」について解説する。

 * * *
 いよいよ帰国まであと1週間。東京で借りるマンションの目処もついた。目下の悩みは、マンションの狭いスペースに、どうやって家電や家具を置くか、ってことだ。

 何しろ古い賃貸物件だから、洗濯機や冷蔵庫置き場が恐ろしく狭い。ドラム式の洗濯機? まさか無理無理。それどころか単身者用みたいな小さい縦型洗濯機しか置けないらしいことが分かり、真っ青だ。

 悲しいのは、この苦労をアメリカの友人に共感してもらえないこと。「冷蔵庫や洗濯機置き場が狭くて置けないの」と愚痴ると、「地下室や機械室に置けば?」だって。賃貸マンションに地下室があるかーっ! 1センチ刻みでオーダーできるすき間家具の存在について語ったら、「よく分かんないけど、クールでクリエイティブね~」。ははは。もはや家具の概念を超えてるもんね。

 一番悔しいのは、アメリカ暮らしの長い日本人友だちの反応。「すき間家具が勝負なの」とか「賃貸は壁にクギ打てないから、突っ張り棒を駆使するしかないのよ」とか私が言うたび、「すき間家具! 突っ張り棒! きゃあ~、懐かしい。すごーーーく日本っぽ~い。久しぶりに聞いたわぁ、その単語」だって。そこまで感動すんなよ、ちくしょー。

※週刊ポスト2011年9月2日号
(「ニッポン あ・ちゃ・ちゃ」第157回より抜粋)

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