スポーツ

統一球導入後1試合平均得点4.39→3.27、HRは0.93→0.55

「おいおい、また完封負けか」
「ホームランはゼロ、ヒットは1ケタ……。もう眠くてたまんねェ」

球場を後にするファンの口からはボヤキばかり。今シーズンから導入された「飛ばないボール」によって、選手たちの打撃成績は惨憺たる結果となっている。一番の被害者は、カネを払って観に行く客たちだ。「統一球になって、プロ野球が面白くなくなった」――これがファンたちの偽らざる本音である。

今季のプロ野球の「つまらなさ」はデータが如実に物語る。これまではシーズン通して20試合ほどしかなかった引き分けが、今季はすでに42試合(9月8日現在)。震災の影響による「3時間半ルール」も大きな理由だが、それだけではない。

今年に入って、0-0の試合がすでに3試合もある。9月8日の巨人-中日戦に至っては延長12回を戦った末にヒットは両チームあわせて7本だけ。いくらスポーツ紙が「息詰まる投手戦」と書き立てても、ファンは見抜いている。投手力の向上ではなく「統一球の影響」で打者たちが打てなくなったにすぎないのである。

昨季までは球団によって採用している公式球のメーカーや種類が異なっていたが、今季からは反発係数の低いボールに統一された。2009年のWBCで日本代表が同大会公式球への対応に苦しんだこともあり、「国際基準に合わせるべき」と実施された。その国際化の結果が「しょっぱい試合」の量産だ。

打率は昨年比で2分2厘ほど(.269→.247)、1試合あたりの平均得点も4.39から3.27と1点以上ダウンしている。ホームランに至っては1試合あたり1チーム平均0.55本(昨年は0.93本)。つまり球場に足を運んでも、ホームランを見られる試合は2回に1回なのである。

※週刊ポスト2011年9月30日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン