ライフ

久石譲氏「Macはヒューマン。よく固まるけどそれも楽しい」

Macintosh Plus(1986年)と久石譲氏

10月に他界した故スティーブ・ジョブズは、常に革新的なアイデアを重視していた。そのため機械に思わぬ不具合が生じることも少なくないのだが、それでもユーザーは減らない。Macintosh愛好家である作曲家の久石譲氏がいう。

「一言でいえばヒューマンなんですよ。Macはよく固まる。集中して1時間ぐらいかけて作った曲がフリーズでおジャンというのは昔は日常茶飯事でした。泣きたくなるけど、それも楽しかったりする。人間味のあるパソコンですよね」

欠陥さえも愛してくれるユーザーがMacには大勢付いている。久石氏はMacintosh Plus(1986年)の思い出について、こう語った。

「ニューヨークにいた時、友人に勧められて衝動買いしました。最初に触った時の驚きは今でも覚えています。画面にはいくつかのアイコン、そして書類を作って必要ならコピーしていらなければゴミ箱に捨てる。今では当たり前ですが、当時の他のパソコンはこんなに直感的ではなかったんです。まるで自分の机の上で仕事をしているような感覚でしたね。それまで無機質だと思ったパソコンに急に人間味を感じました。

とはいえメモリが1MB程度なので、このマシンでは書類作成がメインでした。Macで曲を作るようになったのは1990年代中盤ぐらいでしょうか。皆さんに聴いていただいている最近の曲のほとんどはMacで作っています」

【プロフィール】
久石譲(ひさいし・じょう)1950年生まれ。作曲家として宮崎駿や滝田洋二郎の映画の音楽を担当。国内外で数々の音楽賞を受賞する日本を代表する作曲家。最新CD『The Best of Cinema Music』(ユニバーサルシグマ)が発売中。年末には北九州ソレイユホール(12月28日)、大阪ザ・シンフォニーホール(12月31日)にてコンサートを開催。詳しくはhttp://www.joehisaishi.com

撮影■ヤナガワゴーッ!

※週刊ポスト2011年11月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《10年抗争がなぜ突然?》六代目山口組が神戸山口組との抗争終結を宣言 前兆として駆け巡った噂と直後に投稿された怪文書
NEWSポストセブン
川崎
“トリプルボギー不倫”川崎春花が復帰で「頑張れ!」と声援も そのウラで下部ツアー挑戦中の「妻」に異変
NEWSポストセブン
最後まで復活を信じていた
《海外メディアでも物議》八代亜紀さん“プライベート写真”付きCD発売がファンの多いブラジルで報道…レコード会社社長は「もう取材は受けられない」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《“ショーンK復活”が話題に》リニューアルされたHP上のコンサル実績が300社→720社に倍増…本人が答えた真相「色んなことをやってます」
NEWSポストセブン
依然として将来が不明瞭なままである愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
愛子さま、結婚に立ちはだかる「夫婦別姓反対」の壁 将来の夫が別姓を名乗れないなら結婚はままならない 世論から目を背けて答えを出さない政府への憂悶
女性セブン
28歳で夜の世界に飛び込んだ西山さん
【インタビュー】世界でバズった六本木のコール芸「西山ダディダディ」誕生秘話、“夢がない”脱サラ社員が「軽い気持ち」で始めたバーダンスが人生一変
NEWSポストセブン
通算勝利数の歴代トップ3(左から小山さん、金田さん、米田さん)
追悼・小山正明さん 金田正一さん、米田哲也さんとの「3人合わせて『1070勝』鼎談」で「投げて強い肩を作れ」と説き、「時代が変わっても野球は変わらない」と強調
NEWSポストセブン
行列に並ぶことを一時ストップさせた公式ショップ(読者提供)
《大阪・関西万博「開幕日」のトラブル》「ハイジはそんなこと望んでいない!」大人気「スイス館」の前で起きた“行列崩壊”の一部始終
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《“イケメン俳優が集まるバー”目撃談》田中圭と永野芽郁が酒席で見せた“2人の信頼関係”「酔った2人がじゃれ合いながらバーの玄関を開けて」
NEWSポストセブン
六代目体制は20年を迎え、七代目への関心も高まる。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
山口組がナンバー2の「若頭」を電撃交代で「七代目体制」に波乱 司忍組長から続く「弘道会出身者が枢要ポスト占める状況」への不満にどう対応するか
NEWSポストセブン
日本館で来場者を迎えるイベントに出席した藤原紀香(時事通信フォト)
《雅子さまを迎えたコンサバなパンツ姿》藤原紀香の万博ファッションは「正統派で完璧すぎる」「あっぱれ。そのまま突き抜けて」とファッションディレクター解説
NEWSポストセブン
ライブ配信中に、東京都・高田馬場の路上で刺され亡くなった佐藤愛里さん(22)。事件前後に流れ続けた映像は、犯行の生々しい一幕をとらえていた(友人提供)
《22歳女性ライバー最上あいさん刺殺》「葬式もお別れ会もなく…」友人が語る“事件後の悲劇”「イベントさえなければ、まだ生きていたのかな」
NEWSポストセブン