震災後、同窓会が大人気だという。同窓会幹事業の「同窓会本舗」を主宰するアラッドブラザーズ社長・荒瀧智範氏によれば依頼件数はそれまでの半年と、4月以降の半年で比較すると、前年同期比216%増となっているという。旧友との再会を成功させるにはどうすればいいのか。
出身校の同窓会組織があれば話は早いが、今は個人情報の関係で、卒業生でも住所を教えてくれない学校もある。この場合、卒業アルバムの後ろに載っている住所録を頼りにするしかないが、引っ越して連絡がつかない同窓生も多くいるはず。
同窓会の幹事業務を代行するサービス会社・前出の同窓会本舗や同窓会ネットでは、次のような手順をとっているという。
まず卒業アルバムにある住所に、所在確認も含めて同窓会を開きたい旨のハガキを送る。宛先不明で戻ってきたら、その人たちの名前を一覧にして封筒に入れ、ハガキが届いた人たちに送付して伝言してくれるよう頼む。年賀状などで今もやりとりをしている人もいるから、その人に今の住所を教えてもらったり、幹事に連絡してくれるよう伝えてもらうわけだ。
そして案内状の送付と同時に会員専門のホームページを立ち上げ、案内状にそのページに入るためのIDとパスワードを配布。そこにいろいろな情報が集まって、不明者の所在がわかることも多いという。
また、ハガキは実家に届くことがほとんどなので、宛名の下に「ご家族の方へのお願い」として、「一緒にお住まいでない場合には本状の到着をお伝えください」という旨のひと言を添えるのは鉄則だとか。
こうした手順を考慮して、開催日は案内状送付から3か月は見ておく。
曜日は土日祝日が基本で、時間は土曜日なら夕方6時以降、日曜日は翌日の仕事も考えて、昼間からがおすすめ。会場は卒業した学校の地元に近い、ターミナル駅のそばのホテルが最適だそうだ。
「同窓生には地元に残っている人もいれば、都会に出ている人もいるので、両方にアクセスがいい場所にしなければいけません。居酒屋などにすると、地元に疎くなっている人には行きにくいんです」(同窓会ネット・伊丹正人社長)
幹事や恩師の挨拶などでマイクを使ったり、出席者が自由に移動して歓談することを考えても、ホテルの宴会場を貸し切るほうがやりやすい。
会費は7000~1万円が平均的で、
「高いんじゃないかと心配する幹事さんもいますが、7000円で来ない人は5000円でも来ない」
と伊丹氏。二次会の予約も必須で、こちらは3000円程度の居酒屋の飲み放題コースで十分だ。
※週刊ポスト2011年12月9日号