ライフ

日照時間の短い冬はセロトニン減少 うつ病のような症状にも

 なんとなくどんよりした気分になることも多い冬。単純に気候のせいとも思われるが、実は科学的にその理由が説明できるのだという。『ホンマでっか!?TV』でもお馴染みの脳科学者・澤口俊之氏が、冬の「絶望感」について解説する。

 * * *
 冬の気配が濃厚になり、寒さが一段と厳しくなってきました。秋から冬にかけて、気分が落ち込み、何となくどんよりとしてくることがあります。やる気が出ない、体がだるい、絶望的な気分になる…といった経験は、誰しもあるのではないでしょうか? これは、季節によって脳内のセロトニン量が変動するからです。

 日本のように四季がはっきりしている地域では、日照時間が短くなる冬に、セロトニントランスポーターの働きが強くなります。セロトニントランスポーターとは、セロトニンを「回収(トランスポート)」するための高分子構造です。

 この働きが強いと、セロトニンが通常より多く“回収”されるため、脳内のセロトニン量が減ってしまうという仕組みになっています。脳内のセロトニン量が減ると、気分の落ち込みがひどくなり、うつ病のような症状になってしまうのです。

 ちなみに、うつ病の主な治療薬(SSRI)には、セロトニントランスポーターの働きを弱めて、セロトニンの回収を「抑制」し、脳内のセロトニン量を増やす作用があります。セロトニン量の減少を抑えることで、うつ状態に陥ることを防ぐのですね。

 また、ドーパミンなどの脳内ホルモンや性ホルモンなども季節の影響を受けます。つまり、日本のように季節のある地域に住む人間は、季節によって体も脳も変化するということです。

※女性セブン2011年12月22日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

長男・泰介君の誕生日祝い
妻と子供3人を失った警察官・大間圭介さん「『純烈』さんに憧れて…」始めたギター弾き語り「後悔のないように生きたい」考え始めた家族の三回忌【能登半島地震から2年】
NEWSポストセブン
古谷敏氏(左)と藤岡弘、氏による二大ヒーロー夢の初対談
【二大ヒーロー夢の初対談】60周年ウルトラマン&55周年仮面ライダー、古谷敏と藤岡弘、が明かす秘話 「それぞれの生みの親が僕たちへ語りかけてくれた言葉が、ここまで導いてくれた」
週刊ポスト
小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン