中国最古の占星学「算命学」の第一人者である中森じゅあん氏の占いは、「怖いほどよく当たる」と人気となっている。主に女性から絶大な支持を受け、海外にも多数のファンを持つ。男性は「占い」と聞くと、どうしても縁遠いものに考えてしまいがちだ。しかし、この算命学は「男性にこそ向いている」という。
算命学は二千数百年前、古代中国の戦国時代の戦略家・鬼谷子により創案され、国を統治するための帝王学として、一子相伝で伝えられてきた秘法だ。
「文献によれば、賢人と名高い周時代の政治家・太公望も、算命学を利用していたようです。算命学は『太陰太陽暦』や『陰陽五行説』など大自然の法則がベースになって歴代の宗家によって研究発展してきました。原理が明快で実用的な人間探求のための学問です。理性や知性で物事を判断する男性に、非常に適していると思います」(中森氏)
算命学では、人間を「大宇宙の中の小宇宙」と位置付け、宇宙・大自然の法則を手本として創られた中国独自の暦を用いる。
まず、生年月日から各人の本質を「主精」と呼ばれる「樹」や「花」「山」「海」など自然界の森羅万象に置き換える。そこから性格や個性、能力、魅力、エネルギーなど、個人の基本的な本質世界である「宿命」、そして巡り来る「運命」を明らかにしていく。
算命学では、この「宿命」と「運命」を分けて考える。生年月日を変えることができないように「宿命」を変えることはできない。だが「運命」は常に変化し、各人の意志と行動次第で選択できる。
「運命をより良くするためには、宿命をよく知っておくことが重要です。算命学を活用するには、主観や先入観を持たずに客観的視点で情報を知ることです」
上述の中森じゅあん氏は、2012年をこう読み解いている。
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2011年は「宝石」の年にあたり、品格や純粋さが求められたが、来年は「海」の年が巡ってくる。
「海はクールで、理性や知性を司る。その深淵には多彩な世界が広がっています。自由でもあります。来年、海のエネルギーを受け取る我々は、自分の内側に目を向け、深く掘り下げて洞察力を磨くことが必要とされます」(中森氏)
算命学は、国家や企業などにも適用することができる。国家の場合、すべては混沌たる「動乱」から始まるとされている。一定のスパンを経て「動乱」から「教育」、「平和」、「平民台頭」「官僚」、そして再び「動乱」へと巡っていく。
「そうした大きな流れの中にあって、今の日本は『動乱』から『教育』の時代へと入っています。単なる知識や学問ではなく、広い意味で人としての心の豊かさや思いやり、知恵、感性を育てていくべき流れにあります」(中森氏)
思考や判断、善悪ではなく、「感性」に従い自分の力を発揮していくことが、日本人の2012年のキーワードとなりそうだ。
※週刊ポスト2011年12月23日号