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パラダイス山元 まずい餃子を食べた後は自分で焼いて口直し

ラテン音楽のマンボミュージシャンとして活躍するパラダイス山元さんは、本業の他に多趣味が反映されたさまざまな肩書を持つことでも知られている。盆栽の鉢にフィギュアを立てる芸術“マン盆栽”の家元、グリーンランド国際サンタクロース協会に正式認定された公認サンタクロース、航空会社のマイルを使いこなすマイル修行僧、入浴剤ソムリエなどなど…。

なかでも近年、目立っているのが、“餃子王”としての顔。全国津々浦々を食べ歩くだけでなく、餃子を包んで焼いて約30年。店主である会員制餃子店『蔓餃苑』には現在700名の会員が在籍し、その味を堪能している。

そんな『蔓餃苑』で提供される垂涎のオリジナル餃子レシピから冷凍餃子のおいしい食べ方までをまとめた『餃子のスゝメ』(マガジンハウス)から6年、その第2弾となる『読む餃子』(アスペクト)が発売された。

「10年前までは、1年365日のうち約300日は餃子を食べ歩くのが当たり前の日々でした。いまは、ほとんどどこにどんな餃子があるのかわかってきたのでそこまではしていませんが、それでもおいしい餃子があると聞けば、食べに行きます。

でも長い間、食べ歩いて実感したのは、自分でつくる餃子がいちばんうまいということ。間違ってまずい餃子を食べてしまったときには、即、自分で餃子を焼いて口直しをするくらいです。偏執的に研究し続けているので、そんじょそこらの料理研究家がつくった餃子には負けないゾ、という自負があります」(パラダイスさん)

前著書ではレシピを紹介したので、『読む餃子』ではちょっと違った餃子の楽しさを表現しようと、ただのうんちくではなく、タイトル通り読むだけで餃子のにおいが漂ってくるようなエッセイを目指した。

「『蔓餃苑』に来たことのない人が、ここがどんなところで、どんな餃子が食べられるのかというのをジワジワと想像できるようにしたかったんです」

この言葉どおり、餃子がテーマなのに、本書には写真もイラストも載っていない。しかしそこには、30年間彼が餃子と真っ向から対峙して得たおいしく食べるコツやオリジナルレシピ誕生秘話だけではなく、教訓や哲学が内包された49のエッセイが詰まっている。餃子の奥深さを文章で味わえるわけだ。

「100本ほど小見出しを考えてくださいと編集者にいわれて一生懸命ひねりだしたなかから厳選した内容です。ただ、文章を書くだけならいくらでも書けるけれど、人様に買って読んでいただくとなると、読んでよかったと思ってもらえるような内容でないと申し訳ない。ネタは新たに取材したというより、これまでの餃子体験の積み重ねから生まれたものです」

※女性セブン2012年2月16日号

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