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無料航空券支給の国会議員 自分を特権階級と思い威張る例も

 役人天国といわれる日本でその頂点に立つのが国会議員だ。国会議員の歳費(給与)は、月給・ボーナス合わせて年間2106万円。これとは別に、毎月100万円の「文書通信交通滞在費」支給される。しかし、役得はまだまだある。

 選挙区と東京を頻繁に往復するために「JR無料パス」(鉄道乗車証)と無料航空券(クーポン)が支給される。

 無料航空券は選挙区と東京の往復が原則。近距離では支給されない。ところが、これにも裏技がある。選挙区を持たない比例代表の議員は、たとえ自宅がなくても「地方住所」として届けた地域から東京までの航空運賃に相当する枚数のクーポンを支給される。

 平山誠・参院議員(埼玉出身)は宮崎を地方住所に届け、宮崎が拠点の横峯良郎・参院議員は沖縄を地方住所にしてより多くのクーポンを受け取っていた。議員辞職した後藤英友・前民主党代議士の場合は本人しか使えないクーポンを妻が利用していたことが発覚している。

 複数の国会議員に「特権を意識するのはどんな時か」と尋ねてみた。一番多かったのが、「空港」という答えだ。

 羽田をはじめ主要な空港に、各航空会社が一般の国民とは全く別の国会議員専用の搭乗口を設けていることをご存じだろうか。空港に入ると広いVIP待合室で搭乗手続きをすませ、一般客とは別ルートで機内に優先的に案内される。

 JRの無料パスや無料航空券といっても、議員が利用した運賃は税金で支払っている。その予算は衆参で約13億円。国会議員1人年間160万円だ。

 航空運賃は国民が負担しているのに、自分を特権階級と勘違いして威張り散らす輩も多い。今回の取材で、キャビン・アテンダントに、「態度が悪い」と水を掛け、ブラックリストに乗っている不心得者さえいることが判明している。

※週刊ポスト2012年2月17日号

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