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イタリアのブランド・GUCCIが今、日本の手仕事に着目する理由

GUCCIの靴づくり風景。ロウを塗る職人

この4月、学校法人・二本松学院が京都美術工芸大学を開学する。大学では、伝統工芸コース、文化財修理コースなど4つのコースと陶芸分野、木工分野など4つの分野に分かれて学び、伝統工芸の職人育成を目指す全国初の4年制大学になるという。宮大工や陶芸、仏像彫刻など美術工芸業界を担う新たな人材を育成していく。木工芸作家や仏像彫刻士などの職人も教授や講師として名を連ねる。

 3月5日には、同校のグループ校・京都伝統工芸大学校にイタリアのデザイナー2人が表敬訪問。京都府が行なうイタリアデザイナー招へい事業の一環で訪れたもので、両氏は京都に滞在中、同校の卒業生や企業とのコラボレーション作品を制作したという。

 京都とイタリアといえば、イタリアのファッションブランド・GUCCIが、昨年、京都とフィレンツェの職人技をつなぐ活動を行なった。京都金閣寺の『方丈』において、GUCCIのアーカイブと日本の歴史的建造物を融合させた展覧会を開催したのだ。同社は「クラフトマンシップを未来につなげる」という活動に積極的で、2月には「HAND 未来に受け継ぎたい手仕事」として、ブログも一新したばかりだ。

 このブログでは、京都の鏡師・山本晃久さんや錦織作家・龍村周さんなど、日本で技を受け継ぐ職人たちを紹介。ブログという形式をとることで、言葉だけでなく写真や動画を使用し、職人たちの細やかな手作業の様子が、より臨場感をもって伝わるものになっている。

 また、3月9日から11日、銀座・GUCCI本店にて、イタリアの職人の手仕事を紹介する「シューズアルチザン コーナー」を開設。グッチならではのシューズ技術を披露した。イベントでは、皮をなめす職人や、皮を縫う職人、また型をとる職人などがイタリアから来日し、さまざまな工程でひとつの靴がつくられていく様子を実演。訪れた客は、目の前で自分の靴が手作業でつくられていくとあって喜びもひとしおの様子で、なかには、職人と記念撮影する姿も。

 同イベントに来ていた30代女性は、「こうして目の前で見ると、イタリアの職人さんも、日本人の職人さんと、何か通じるものがあるのかなって思います」とその職人魂に感嘆。購入した製品により愛着がわきそうとのことで、「もっとこういう機会を増やして、手仕事からつくられる“ものの大切さ”を感じられたらいいですね」と語った。

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