ライフ

アニメキャラの設定には「現実っぽさ」が大切だと制作関係者

『しまじろうのわお!』登場キャラクターたち

テレビ東京系子ども向け番組『しまじろう ヘソカ 』が4月をもって新番組『しまじろうのわお!』にリニューアルをすることが、「しまじろう」のキャラクターを管理するベネッセコーポレーションより5日に発表された。これまではヒツジキャラの「らむりん」がレギュラーメンバーを張っていたのだが3月最後の放送回で引っ越しをするという設定で 、今後はネコキャラの「にゃっきい」が番組および、同社が発行する幼児向け教育教材「こどもちゃれんじ」でも使われる。そして、アニメはCG化されるという。

今回のリニューアルだが、背後には社会的な状況の変化がある。元々アニメというものは、『サザエさん』(フジテレビ系)のように、核家族化が進むものの3世代同居が普通だった時代をそのまま受け継ぐ場合はあれど、何らかの変化はさせるもの(実は『サザエさん』でも、カツオの部屋にK-POPアイドルのポスターが貼られるなど、時代に合わせている)。

今回の『しまじろうのわお!』が時代に対応したもののひとつは「 ワーキングマザーの登場」というものだ。ベネッセコーポレーションの担当者は「これまで、しまじろうを中心とした『こどもちゃれんじ』登場キャラのお母さんは専業主婦が中心でした。ただ、現状を見たらワーキングマザーも増え、子どもを保育園に預けたり、祖父母の協力を得たりしながら仕事をしているお母さんも多いです。より多くの視聴者に登場キャラと自身を重ね合わせていただきたいのです」とにゃっきい一家登場の理由を語る。

 つまり、現実世界と合致するリアリティが重要だということだが、それではなぜ、ヒツジキャラの「らむりん」はなぜ、ネコの「にゃっきい」になったのか。元々女子キャラはウサギの「みみりん」がいたが、「らむりん」と「女の子らしい」キャラとしてかぶりがあった。違いもキチンとは描き切れていなかった反省があったのだという。ここでもキーワードは「リアリティ」だ。

 現実の女の子は「おしとやかで礼儀正しく、スカートをはく」といったステレオタイプの女の子だけではない。お茶目もいれば、ツンデレもいるし、厳しい子もいる。にゃっきいが担う役割は、他のキャラクターを引っ張っていく、いわばお姉さん的なキャラなのだが、同時に大人っぽさと生意気さを兼ね備えている。そんなキャラを作ろうと考えた末に、うまれたキャラなのだ。

 このように、設定の面でもリアリティ増強作戦がされていたわけだが、前出の担当者は作中の表現でもより、リアリティをもって制作をしていきたいと語る。

「たとえば、これまでしまじろうのお母さんって感情が上げ下げしないといいますか…、子育てをしていない感じがあったのですね。まさにアニメにおける『理想のお母さん』みたいな感じだったのですが、これからはリアルのお母さん同様に喜怒哀楽を出すとか、子供をギュッと抱きしめる、とかそういった演出も加えたいと思います。

だって、これまでいつも家にいた子どもが幼稚園に行くようになったらお母さんは成長への喜びを感じる反面、寂しい でしょ? だからこそ、しまじろうが幼稚園に行っている間にお母さんが寂しがったりするような、リアリティある部分を深め、普通の人間の営みを人間くさくよりリアルに描いていきたいと思います」

 アニメの「設定」というものは、時代とともに変わるものだが、担当者は「もしかしたら今後、しまじろうのお母さんがスマホでツイッターをやってることなんかも描かなくてはいけなくなるかもしれませんね」とも迫りくる「リアリティ溢れるアニメの設定」について語った。

関連キーワード

トピックス

小林ひとみ
結婚したのは“事務所の社長”…元セクシー女優・小林ひとみ(62)が直面した“2児の子育て”と“実際の収入”「背に腹は代えられない」仕事と育児を両立した“怒涛の日々” 
NEWSポストセブン
松田聖子のものまねタレント・Seiko
《ステージ4の大腸がん公表》松田聖子のものまねタレント・Seikoが語った「“余命3か月”を過ぎた現在」…「子供がいたらどんなに良かっただろう」と語る“真意”
NEWSポストセブン
今年5月に芸能界を引退した西内まりや
《西内まりやの意外な現在…》芸能界引退に姉の裁判は「関係なかったのに」と惜しむ声 全SNS削除も、年内に目撃されていた「ファッションイベントでの姿」
NEWSポストセブン
(EPA=時事)
《2025の秋篠宮家・佳子さまは“ビジュ重視”》「クッキリ服」「寝顔騒動」…SNSの中心にいつづけた1年間 紀子さまが望む「彼女らしい生き方」とは
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(AFP=時事)
《大胆オフショルの金髪美女が小瓶に唾液をたらり…》世界的お騒がせインフルエンサー(26)が来日する可能性は? ついに編み出した“遠隔ファンサ”の手法
NEWSポストセブン
日本各地に残る性器を祀る祭りを巡っている
《セクハラや研究能力の限界を感じたことも…》“性器崇拝” の“奇祭”を60回以上巡った女性研究者が「沼」に再び引きずり込まれるまで
NEWSポストセブン
初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン