夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回のテーマは「家訓」。ご主人(56歳)がカメラメーカー勤務の奥様(52歳)は、息子さん夫婦と同居しています。
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家訓「風呂の順番はオナラの泡で決定する」
息子が小さい頃、一緒にお風呂に入ると、主人は湯船の中でオナラをして泡が浮いてくるのを見せ、「お前もやれ」といって、息子と競争してたんです。成長してからは別々の入浴でそんなこともなくなったんですが、昨年、息子夫婦と同居することになり、「先にどうぞ」「いえいえ、お母さんたちから」と、入浴順のことで私と嫁が気を遣い合うようになりました。
「それじゃ、こうしよう」主人の提案で、毎週日曜の夜、それぞれが入浴してオナラの泡を浮かせ、それを写メで撮り、家族4人で泡の大きさ、形の良さ等を品評し合います。そこで1位から4位までを決め、その1週間は順位通りの入浴ということになりました。
ただねぇ、主人と息子は「この泡の流線型、見事だよ!」写メを見て大盛り上がりですが、嫁は恥ずかしくて本当に出ないみたいなんです。私ですか? 出ますよ。時には3連発で、「きれいな泡! 写メに撮りたい」と思いますもん。でも、嫁の手前、「私もダメだったわ」と出なかったことにし、嫁とジャンケンをして3位、4位を決めています。
毎回、主人や息子の写メをチラ見し、「今夜も本当の1位は私だったのに……早く嫁が本格参加してくれないかしら」と祈る私です。
※週刊ポスト2012年4月13日号