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睡眠時無呼吸症候群の放置で心筋梗塞や心不全リスクは3倍増

 メタボ気味の中高年男性に多い睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、日中の過度の眠気による効率の低下やイライラ、居眠り運転の多発など、社会問題にもなっている。重症のSASを放置すると、心不全、脳卒中などのリスクが3倍になるという研究結果もある。睡眠時無呼吸の治療が心臓血管系疾患の予防に繋がるため、2010年には日本循環器学会のガイドラインにも取り入れられた。

 成人男性の約8%にあたる200万~300万人が、寝ている間に呼吸が停止する閉塞性の睡眠時無呼吸症候群と推計されている。特に肥満やメタボリックシンドロームの人は気道が狭くなるだけでなく、舌根に脂肪が付き気道を塞ぐため呼吸が止まる、閉塞性睡眠時無呼吸が多い。

 呼吸停止時間は長い人で2分に及び、眠りが浅く覚醒反応が起こり呼吸が再開という状況を繰り返す。深く質のよい睡眠が確保できないため、日中の過度の眠気、仕事の効率の低下、イライラ、インポテンツなどQOLの低下や、居眠り運転の多発など社会的問題も起こっている。近年、心臓循環器系に多大な悪影響を及ぼすことが指摘されている。自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長で循環器科の百村伸一教授の話。

「SASと心血管疾患の関係については、スペインの研究グループが10年間追跡調査した結果が2005年に発表されました。重症のSAS患者を治療しないで放置すると、心筋梗塞や心不全など心血管疾病のリスクが3倍になることがわかりました」

(取材・構成/岩城レイ子)

※週刊ポスト2012年4月13日号

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