「創業100年が夢」と語る3代目・恭子さんが揚げる天ぷらも人気メニュー
しかし、これがよその店にない小西のよさなのだと、居合わせたサラリーマン客たちの声。
「曜日はともかく週一回、5時半ぐらいに来て飲むのが自分のルーティンワークになっているんです。だらだらが嫌いなんで、1時間ちょっとでスパッと帰れるのは最高」(40代金融系)
「やっちゃん(恭子さんの愛称)がこまめに揚げてくれる野菜の天ぷらとか、そのへんのすし屋よりよっぽどうまい活けタコをあてに、この店で知った焼酎ハイボールを飲る(やる)んですわ。この酒は飲みくちがさらっとしていて甘くないんで、あてのうまさがようけ引き立つ。ともすると、飲みすぎ食いすぎになるのを、この門限が抑えてくれるゆうわけやね」(50代事務系)
ここではずみをつけて次の店へということではなく、小西ファミリーとの掛け合い、顔なじみとの井戸端会議をしながら1時間ちょっとというのが気持ちいいようだ。この日も、7時の門限(?)前までには、みんな行儀よく帰って行った。見送る側、見送られる側のどちらの顔にも、楽しかったねえという心地よい笑みが浮かんでいる。
「布施に転勤で来たのが3年前。商店街の中にあるこの店とすぐに出会って、それからまるまる通ってます。店の雰囲気のよさがたまらんのですわ」(50代営業)
3代目として店になくてはならない存在となっている恭子さんは、そんな常連客の背中を見ながら幸せそうにつぶやいた。
「あと10年とちょっとで創業100年になるんです。そこまではお客さんのためにも、楽しくおいしく、やらせてもらおうと思ってます。
ええ、何があってもそこまでは絶対にやりますよ。その先、101年目からのことですか。今んとこ、未定です」
ちなみに、恭子さんのご主人はときどきこの店の客に姿を変えることもある公務員。お子さんは3人いて男の子が2人。店の歴史を振り返れば、初代が女性、2代目が男性、そして3代目が恭子さん。はたして小西の4代目は…。お客さんはみんな期待していますよ