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三笠宮寛仁親王ご使用の火葬炉 17万7千円で一般人も利用可

 みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイ ブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、“火葬料金”について解説する。
 
 * * *
 6月6日に逝去された三笠宮寛仁親王は、本葬にあたる『斂葬の儀』の後、荼毘にふされた。天皇皇后両陛下以外の皇族方には、皇族専用墓地である『豊島岡墓地』という施設があるから、私はてっきりここに、皇族専用の火葬場というものがあるのだろう、そう思い込んでいたのだが違った!

 東京に住んだことのある人なら一度は行ったことがあるかもしれない新宿区の『落合斎場』だ!

 地方の人は、新宿という都心の一等地に火葬場があるのが不思議に感じるかもしれないけれど、そもそも落合は江戸七大火葬場のひとつ。かつては江戸の外れの外れで、あまり人も住んでいなかった時代から火葬施設があったわけだ。

 この落合斎場では、高松宮宣仁親王や高円宮憲仁親王も、そしてこのたびの三笠宮寛仁親王も、“特別殯館”という炉で荼毘にふされたという。

 あ~なるほどなるほど! やっぱり“特別殯館”っていう皇族専用の火葬炉があったということですか。そりゃそうだよな。だいたい特別殯館の“殯”なんていう普通は使わない字からして皇族っぽいもんと納得するのは早い!

 なんと、料金さえ払えば、誰でも普通に利用できるのだった! そのお値段、17万7千円! ちなみに他の火葬炉の値段もまとめて表にしてみた。(文末参照)
 
 最上等火葬炉(とはいえ一番安い)は炉前ホールにいくつもの炉の扉がズラーッと並んでて、柩の出し入れが他の利用者から見えてしまうのだが、特別殯館と特別室は専用の炉前ホールに火葬炉が2つだけというプライバシー重視設計。

 特に特別殯館は2つの炉の間隔が非常に広いという。そんな皇族の方と同じ火葬炉を、一般料金のわずか3倍で利用できるというのは、セレブ気分堪能という意味では安い気もする。

■落合斎場料金表
【特別殯館】
大人 17万7000円
子供 10万4000円

【特別室】
大人 10万7500円
子供 5万4500円

【最上等】
大人 5万9000円
子供 3万2300円

(東京23区の民営斎場のうち、町屋、代々幡、桐ヶ谷の各斎場も同料金。四ツ木、堀ノ内は最上等と特別室の2グレードのみ)

※週刊ポスト2012年7月13日号

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