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パナソニック創業理念 松下幸之助が語った「水道哲学」とは

 パナソニックは先ごろ、本社勤務の7000人に対して大リストラを行なうことで話題となったが、今から遡ること80年前、1932年5月5日、創業者の松下幸之助は当時の全社員168人を前に、創業理念をこう語っていた。
 
「水道の水は加工された価のあるものであるが、道端の水道水を通行人が飲んでも咎められることはない。それは、その量が豊富で安価だからである。松下電器の真の使命も、物資を水道の水のごとく安価無尽蔵に供給して、この世に楽土(=ユートピア)を建設することである」
 
 水道の水のように商品を供給――これを達成するためとして、松下幸之助はこう続けた。
 
「この日以降、建設時代10年、活動時代10年、社会貢献時代5年、計25年を1節とし、以後同じ方針・方途を時代の人々に伝えつつ、これを10節繰り返し、250年後に楽土の建設を達成しよう」
 
 250年後を見据えた創業者の発表に社員は感激。自らも決意を発表しようと次々と壇上にあがったという。結局、午前10時に開会した式典は、午後6時にようやく閉会した。
 
 社員の心が一つに結束したこの日を、松下幸之助は創業記念日とし、「250年計画」に向けて同社は歩みを進めることになる。

※週刊ポスト2012年10月19日号

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