スポーツ

トライアウト挑戦の元中日門倉「アマはこんなに観客いない」

 過去の栄光やプライドをかなぐり捨てても、現役にこだわる男たちがいる。一度は栄光を掴んだはずの彼らは、なぜ身体を痛めつけ、泥にまみれながらも野球を続けるのか。ノンフィクションライターの柳川悠二氏が、元中日の門倉健のケースを紹介する。

 * * *
 トライアウトや入団テストは受けなくとも、現役にしがみつこうとするベテラン選手はいる。

 今年の春季キャンプに参加して楽天と契約するも、再び戦力外となった下柳剛(44)は、既に国内の道を諦め、海外の独立リーグや、佐藤が所属したイタリアリーグのような、野球後進国での現役続行も視野に入れているという。

 また2009年に千葉ロッテから横浜にFA移籍した清水直行(37)の元には、現時点で国内球団からの獲得打診はなく、春季キャンプに招待参加する道を探る。

 そして、日本だけでなく、韓国のプロ野球を渡り歩き、野球人生の「ケジメ」として、第2回トライアウトに参加した者もいる。

 1996年に中日に入団し、近鉄、横浜、巨人と移籍を繰り返してきた門倉健(39)だ。巨人退団後、韓国の2球団を経て、今年は北海道のクラブチーム「伊達聖ヶ丘病院」に所属した。

「ラストチャンスに賭けていましたから、万全の状態で臨むために一度目は受けなかったんです」

 打者5人に対し、外角に丁寧にボールを集め、3三振も奪った(被安打ゼロ)。

「日本のプロ野球選手を相手にするのは4年ぶりですし、アマチュアでの今年1年は、これほどのお客さんの中でやることなかった。感情が高ぶりました」

 彼もまた厳しい現実を理解している。

「来年40になりますので。このまま何もしないで終わるより、最後にもう一度だけ、プロのマウンドで投げて終わりたかった」

※週刊ポスト2012年12月7日号

関連記事

トピックス

NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
米国の大手法律事務所に勤務する小室圭氏
【突然の変節】小室圭さん、これまで拒んでいた記念撮影を「OKだよ」 日本人コミュニティーと距離を縮め始めた理由
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
中森明菜復活までの軌跡を辿る
【復活までの2392日】中森明菜の初代音楽ディレクターが語る『少女A』誕生秘話「彼女の歌で背筋に電流が走るのを感じた」
週刊ポスト
世紀の婚約発表会見は東京プリンスホテルで行われた
山口百恵さんが結婚時に意見を求めた“思い出の神社”が売りに出されていた、コロナ禍で参拝客激減 アン・ルイスの紹介でキャンディーズも解散前に相談
女性セブン
真美子夫人は「エリー・タハリ」のスーツを着用
大谷翔平、チャリティーイベントでのファッションが物議 オーバーサイズのスーツ着用で評価は散々、“ダサい”イメージ定着の危機
女性セブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者(51)。ストーカー規制法違反容疑の前科もあるという
《新宿タワマン刺殺事件》「助けて!」18階まで届いた女性の叫び声「カネ返せ、カネの問題だろ」無慈悲に刺し続けたストーカー男は愛車1500万円以上を売却していた
NEWSポストセブン