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紅白2回目 “リアルさ”で若者から支持…HYの29歳の決意

第63回NHK紅白歌合戦の出場歌手が発表された。今年初出場となったのはきゃりーぱみゅぱみゅ、ももいろクローバーZ、プリンセスプリンセス、斉藤和義、ゴールデンボンバー、関ジャニ∞ら11組。その他来年の解散を発表したFUNKY MONKEY BABYS、紅白を機に活動休止を発表しているYUIらが注目されるが、派手さはないものの10代から20代の若者から支持を受けているのが2度目の出場となる「HY」だ。

グループ名の「HY」は、彼らの地元・東屋慶名(Higashi Yakena)の地名が由来。NHK 連続テレビ小説『純と愛』で、「いちばん近くに」「二人で行こう」がそれぞれ主題歌、挿入歌に採用された、沖縄県在住のインディーズバンドだ。2010年の初出場のときは、沖縄の人たちの戦争体験を自ら聞き、制作した「時をこえ」が幅広い層に静かな感動をよんだというのが出場決定理由だった。

HYの持ち味は、“圧倒的な言葉の力”。ストレートな歌詞を、時に力強く、時に切ないメロディにのせて歌い上げるところがリアル感をもたらし、共感をよぶのだろう。例えば映画×連続ドラマ『赤い糸』の主題歌となった「366日」はフラれた女性の気持ちを歌った曲だが、学生専用のある掲示板では「まぢはんぱない~」「も、チョーヤバイヨー!!」などの書き込みが殺到。とりわけ10代・20代の女子から圧倒的な支持を得た。

公式サイトで、ボーカルの新里英之は、「いちばん近くに」についてこうつづる。
“大きく、ものすごいスピードで変化する今の時代にあっても、大切なもの、かけがえのないものは、実はいちばん近くにあるんだ…、家族、恋人、友達、みんな、いちばん近くに居てくれる”

彼らの制作する楽曲が他のアーティストに比べてより“リアル感”をもつのは、彼らが“常に自分たちと同じ立ち位置にいる”ことにほかならない。5日には、8枚目となるアルバム「ROUTE29」を発売したが、2000年のデビューから12年経ってもインディーズであることにこだわり、沖縄から “リアル”な声を届け続けるHY。アルバムタイトルは、バンドメンバーが29歳の年であることと、それぞれの道を選ぶ年頃という意味を込めて「ROUTE29」というタイトルが付けられたという。

アルバムのプロモーション動画には、“HY”つながりで兵藤ゆきが登場。「29歳は、本当の意味での“大人としての覚悟を決めなきゃいけない年齢”。これから楽しい人生を作っていきましょう!」という60歳の兵藤の言葉には含蓄がある。自分の「ルート」がどこにつながるかは、“リアル”の積み重ねでしかない―――人生は作るもの。そんなメンバーの決意を、後押しする一声だ。

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