国内

冬の観光地 スキーや温泉より“ゆったり沖縄”の動き拡大

おばぁの日常風景。沖縄の時間を感じることができる

JTBが5日に発表した年末年始(12月23日~2013年1月3日出発)の旅行動向推計によると、金曜日となる2013年1月4日を休めば最大9連休となることや、円高ということもあり国内・海外旅行とも好調。海外旅行人数は過去最高を記録した1996-1997年の68万4000人に次ぐ65万7000人(前年同期比0.3%増)、国内旅行は2937万1000人の見込み(同1.3%増)だという。

 近畿日本ツーリストのブランド戦略室広報・原田淳子さんは、今年の年末年始の国内旅行の傾向について、連続休暇を利用し、アクティブなプランを計画する人が多いとする。

「今年オープンしたスカイツリーや渋谷ヒカリエ、お台場の巨大商業施設・ダイバーシティ東京 プラザなど東京の新名所が増えたことにより、地方からは、東京方面を検討するお客さまが増えています」

 東京は交通の便も良く、年末年始に営業している商業施設も多いことが人気。反対に首都圏からは、九州方面へは帰省をからめ、他県の温泉地に出向く傾向があるほか、沖縄に旅行に出かける人が前年比4割増にのぼるとのこと。

「冬でも暖かい沖縄は、レンタカーでの移動など、行動しやすいことから人気があります。ゴルフなどのアクティビティや、水族館が人気です」(原田さん)

マリンスポーツなど夏に行くイメージの強い沖縄だが、幅広い年代がさまざまな楽しみ方ができるとあって、冬の観光地としても需要が大きくなっている。那覇を拠点にすれば離島へ行くプランもたてやすく、今年は現在放送中の連続テレビ小説『純と愛』のロケ地、宮古島への関心も高い。また、最近はそうした観光スポットだけでなく、“沖縄ならではのゆったりとした時間”を求める人も多数。大型リゾートホテルではスパなど“ワンランク上の過ごし方 ”を提案する宿泊プランが充実し、女性やシニア層に人気だ。元ツアーコンダクターの中村真理子さんは、こう語る。

「自分の“故郷”ではなくても、沖縄には“ホッとできる”魅力があります。地元の人たちとの他愛ないやりとりや、沖縄に流れる時間のなかで自分をリセットできるところが、季節を問わず人気がある理由でしょう」

現地も、自らの魅力の発信に積極的だ。財団法人沖縄観光コンベンションビューローが運営する観光情報サイト「おきなわ物語」では、英語・中国語・韓国語など8か国語に対応。各リゾートホテルや民宿も、ウェブサイト以外にFacebook や ツイッターなどのSNSで情報を発信しているほか、現地の動画など、“よりリアルタイムな”情報を伝えるサイトも出てきている。例えば沖縄の旅行サイト「OKINAHOURS」では、地元のおばあが登場する動画を公開。三線が奏でる音楽や、おばあの話、現地の風景を写した動画で沖縄に流れる時空間を表現し、見る人を“沖縄タイム”に引き込む。

「今は若い世代にも、がつがつウインタースポーツを楽しむというよりは、“単にのんびりしたい”というニーズが高まっています。また、“これまではなかなか行くタイミングがなかった”というアクティブシニア層にも、沖縄は人気。訪れる人は、沖縄そのものに“パワースポット”的な何かを求めているのではないでしょうか」(中村さん)

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