ライフ

号祀は管理費不要で無縁仏にもならない完璧な永代供養の方法

 みうらじゅん氏は、1958年京都生まれ。イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャン、ラジオDJなど幅広いジャンルで活躍。1997年「マイブーム」で流行語大賞受賞。仏教への造詣が深く、『見仏記』『マイ仏教』などの著書もある同氏が、完璧な永代供養について考える。

 * * *
 自分の墓を建ててもやがてお参りする人はいなくなる――。そういう風に考える人は増えているらしい。そこで人気が出てきているのが、合同墓というやつだ。

 ひとつの大きなお墓に、いろんな人のお骨が合祀。一度その墓に埋葬されれば、あとは管理費も不要で無縁仏になることもない。完璧な永代供養だ。

 先祖代々の墓を持っていた人も、自分に跡継ぎがいない場合、自分が死んだら、先祖のお骨も合同墓に移す予約をする人もいるらしい。平均的な価格は30万~50万程度とリーズナブルでもある。とある僧侶に聞いた話では、オバサンが大挙してこの合同墓を見学。

「私たち、一緒にこのお墓に入りましょうか?」

 なんていって予約をする、いわば「ハカ友」なんていう人たちまで出てきているという。

 これ聞いてイイと思った。普通のお墓って親とか親族と入るわけじゃない。それも悪いことではないと思うけど、親族と酒飲むより、仲のいい友達と酒飲んだ方が面白いじゃん。友達とだったら楽しくエロ話もできるけど、親とはできないでしょ?

 そんなエロ話をできるほど仲いいヤツと同じ墓に入る。コレはいいじゃない。いい年になってまで仲良かった友達がいるのに、死んだ途端バラバラになってそれぞれ先祖代々の墓に入るって寂しいじゃない?

 ほら、あの世にいった時もさ、仲のいい友達と一緒だと思ったら心強いじゃん。私の場合なら、遺骨の半分は親の買った京都の墓に入れるとしても、残りは友達と合同墓。これは候補にしておきたい。

※週刊ポスト2013年1月1・11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
30年来の親友・ヒロミが語る木梨憲武「ノリちゃんはスターっていう自覚がない。そこは昔もいまも変わらない」
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平の通訳・水原一平氏以外にもメジャーリーグ周りでは過去に賭博関連の騒動も
M・ジョーダン、P・ローズ、琴光喜、バド桃田…アスリートはなぜ賭博にハマるのか 元巨人・笠原将生氏が語る「勝負事でしか得られない快楽を求めた」」
女性セブン
”令和の百恵ちゃん”とも呼ばれている河合優実
『不適切にもほどがある!』河合優実は「偏差値68」「父は医師」のエリート 喫煙シーンが自然すぎた理由
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン