ライフ

インフルエンザAウイルス予防効果でガゼリ菌SP株が注目

 R-1ヨーグルトのヒットにより、乳酸菌飲料や機能性ヨーグルト(免疫力を上げるなど健康効果機能があるヨーグルトの総称)の市場が拡大している。調査会社・富士経済の調査によると、ヨーグルトの市場規模は、2012年に前年比1.8%増の2553億円に成長し、2013年もさらに伸びると予測されている。そこで、現在注目されている乳酸菌をチェックしてみた。

 これまでも整腸作用に加え、内臓脂肪の軽減や抗炎症作用があることで知られていた乳酸菌・ガセリ菌SP株。さらに昨年12月、マウスによる実験でインフルエンザAウイルスへの感染予防効果が判明した、と研究する雪印メグミルクが発表した。

 ガセリ菌SP株を経口投与したマウスは、ウイルス感染後の生存率は高く、肺組織のウイルス量と炎症を示す指標も低くなった。ウイルス感染で起こった肺の過剰な炎症状態が軽減化されることによって、マウスの致死率が低下している可能性が示唆された。

 順天堂大学医学部プロバイオティクス研究科では、2006年10月から2か月、千葉県の介護老人保健施設に入所する平均年齢85才の高齢者にLcS(ラクトバチルス カゼイ シロタ株、乳酸菌シロタ株)を含む発酵乳(ヤクルト400)を飲んでもらったところ、ノロによる感染性胃腸炎の発熱症状が緩和されることを確認した。この研究を行っている順天堂大学山城雄一郎教授はこう語る。

「腸内の免疫力にかかわる善玉菌が、一般の成人に比べ半分以下に減っているお年寄りを対象に、ヤクルト400を飲んだ人と飲まなかった人それぞれ約40名ずつのノロウイルス流行時の状況を比較しました。下痢の程度に差はありませんでしたが、ヤクルト400を飲んでいる人は熱を出す人が非常に少なく、重症化が防げたと考えられます。また、腸内の善玉菌の量も、成人の腸に近い状態まで快復していました」

※女性セブン2013年1月31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
大阪桐蔭野球部・西谷浩一監督(時事通信フォト)
【甲子園歴代最多勝】西谷浩一監督率いる大阪桐蔭野球部「退部者」が極度に少ないワケ
NEWSポストセブン
がんの種類やステージなど詳細は明かされていない(時事通信フォト)
キャサリン妃、がん公表までに時間を要した背景に「3人の子供を悲しませたくない」という葛藤 ダイアナ妃早逝の過去も影響か
女性セブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
大谷翔平に責任論も噴出(写真/USA TODAY Sports/Aflo)
《会見後も止まらぬ米国内の“大谷責任論”》開幕当日に“急襲”したFBIの狙い、次々と記録を塗り替えるアジア人へのやっかみも
女性セブン
創作キャラのアユミを演じたのは、吉柳咲良(右。画像は公式インスタグラムより)
『ブギウギ』最後まで考察合戦 キーマンの“アユミ”のモデルは「美空ひばり」か「江利チエミ」か、複数の人物像がミックスされた理由
女性セブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン