ビジネス

海外投資のカリスマ・戸松信博氏 日本株は世界一の暴騰相場

 2008年秋のリーマン・ショック後の最高値を記録し、とどまる気配を見せないアベノミクス相場。はたしてこの先どこまで上がるのか。「日本株のスペシャリスト」である藤井英敏氏(カブ知恵代表)が「まさにいまが大相場の入り口」といえば、中国株をはじめ世界の株式市場に精通する「海外投資のカリスマ」・戸松信博氏(グローバルリンクアドバイザーズ代表)は「いま世界の市場で最も魅力的なのが日本株」と見る。二人がこれからの展望を語り合った。

戸松:まず今年に入ってからの各国の主な株価指数を比較すると、TOPIX(東証株価指数)の上げ幅は群を抜いていて、いま日本株は世界一上がる、“暴騰相場”と化しています。

藤井:そもそも海外から見て日本株はそんなに魅力的?

戸松:ここにきて日本株に関するアナリストレポートが増えてきていますし、外国人投資家の関心は一層高まっています。すでに外国人の買いが進んでいるといわれますが、海外のファンドマネージャーの多くが長期的に日本株の組み入れ比率を高めるためには、最低でも数か月単位の継続トレンドが必要といわれており、本格的な買いを入れてくるのは、まさにこれからなんですよ。

藤井:今回の株高のきっかけはアベノミクスですが、それが主たる要因ではないと見ています。リーマン・ショックから欧州危機を経て、米欧がこぞって金融緩和を進めるなか、日本は民主党政権の体たらくで“失われた3年半”を過ごしてきた。

 それがアベノミクスの登場で、ようやくデフレに決着をつけてくれる期待感が高まった。振り返れば、日経平均は1989年末につけた3万8915円をピークに下落相場が続いてきたが、それがようやく終わると見ていいでしょう。何しろ米欧日の3大中央銀行が揃って金融緩和に乗り出すというのは戦後初めてといえ、かつてないほどの規模のマネーがこれからも市場に流れ込んでくるわけです。

 つまり、世界的な株高がようやく日本株にも波及してきた。おそらくそのサイクルはやがてデフレ脱却からインフレ懸念へと転じ、日銀がゼロ金利解除というブレーキを踏む時がいずれ訪れます。その時が安倍バブルの終着点ですが、少なくともあと2~3年は続く大相場になると見ています。

戸松:円安が進行する為替相場はやはり米国の意向が大きく作用してきます。これだけ円安に振れても米国から非難の声が上がらないということは、少なくとも親米の自民党政権が確固たる基盤を築く7月の参院選までは米国が円安を容認していると見ることもできます。

 当面は円安・株高基調が続くでしょうから、年内に為替は1ドル=100~110円前後、日経平均はリーマン・ショック前の水準である1万2500円を超えてくれば、来年に向けて1万5000~1万6000円を目指す展開も予想されます。

※週刊ポスト2013年3月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
《訃報》「生きづらさ感じる人に寄り添う」遠野なぎこさんが逝去、フリー転向で語っていた“病のリアルを伝えたい”真摯な思い
NEWSポストセブン
なぜ蓮舫氏は東京から再出馬しなかったのか
蓮舫氏の参院選「比例」出馬の背景に“女の戦い”か 東京選挙区・立民の塩村文夏氏は「お世話になっている。蓮舫さんに返ってきてほしい」
NEWSポストセブン
泉房穂氏(左)が「潜水艦作戦」をするのは立花孝志候補を避けるため?
参院選・泉房穂氏が異例の「潜水艦作戦」 NHK党・立花孝志氏の批判かわす狙い? 陣営スタッフは「違います」と回答「予定は事務所も完全に把握していない」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《真美子さんの艶やかな黒髪》レッドカーペット直前にヘアサロンで見せていた「モデルとしての表情」鏡を真剣に見つめて…【大谷翔平と手を繋いで登壇】
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と浜辺美波のアツアツデート現場》「安く見積もっても5万円」「食べログ予約もできる」高級鉄板焼き屋で“丸ごと貸し切りディナー”
NEWSポストセブン
誕生日を迎えた大谷翔平と子連れ観戦する真美子夫人(写真左/AFLO、写真右/時事通信フォト)
《家族の応援が何よりのプレゼント》大谷翔平のバースデー登板を真美子夫人が子連れ観戦、試合後は即帰宅せず球場で家族水入らずの時間を満喫
女性セブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落の原因は》「なぜスイッチをオフにした?」調査報告書で明かされた事故直前の“パイロットの会話”と機長が抱えていた“精神衛生上の問題”【260名が死亡】
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン