国内

ネット上で差別される沖縄、福島、大阪、東京、群馬、福岡

 ネット上では匿名性を楯に激しい差別感情が噴出し、露骨な差別的表現が飛び交う。そこにはネットならではの傾向や攻撃対象の選定がある。ネットに多く見られる地域差別についてネットニュース編集者の中川淳一郎氏が解説する。

 * * *
 ネット上でもリアルの世界同様、差別感情のターゲットとして地域が多く見られる。ただし、その対象と理由には独特のものがある。多いのは沖縄と福島に対する差別で、それぞれ「沖縄土人」「福島土人」という言葉で罵倒する。

 理由は、沖縄は「基地経済や政府からの補助金に頼りながら、基地に反対している」、福島は「原発のおかげで地域経済が潤い、原発事故で補償金までもらっているのに、原発に反対している」のは図々しい、というものだ。

 そこには、「努力もせず補助金や補償金をもらって生きているのは許せない」という勝手な思い込みがある。現実には補助金などを受け取るかわりに相応の負担やリスクを受け入れているのはもちろん、地元に賛成論も反対論もある。

 また、在日韓国・朝鮮人に対する差別の延長として、在日が多く住むとされる大阪を大韓民国にかけて「大阪民国」と揶揄し、「大阪民国ツアー」と称して特に在日が多く居住している地域を隠し撮りし、差別的なコメントをつけてネット上に晒す。一方、東京在住者に対する差別用語は中国語風に読ませる「トンキン人(東京人)」だ。人口が多いだけに、犯罪件数も当然多い。そんなことから、東京で発生した残虐な事件などが報じられると、「さすがトンキン人」などと皮肉られる。

 群馬のことはミャンマーに引っ掛けて「グンマー」と呼び、「未開の地」と馬鹿にする。夜中に街を歩いていて警官に職務質問された男が「どこから来たのか?」と聞かれて「群馬から」と答えると、「グンマーね。ビザは持ってるの?」と不法入国者扱いされる小咄がネット上では広く流布している。それ自体はネタとして広まったものだが、「グンマー」の呼称で群馬県をからかう傾向を象徴する事例だ。

 さらには、暴力団の抗争が激しいとのイメージがあり、警察が手榴弾に注意せよと警告する福岡もマンガ『北斗の拳』に登場する荒くれた国の「修羅の国」などと言われる。

※SAPIO2013年4月号

トピックス

防犯カメラが捉えた緊迫の一幕とは──
「服のはだけた女性がビクビクと痙攣して…」防犯カメラが捉えた“両手ナイフ男”の逮捕劇と、〈浜松一飲めるガールズバー〉から失われた日常【浜松市ガールズバー店員刺殺】
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《左耳に2つのピアスが》地元メディアが「真美子さん」のディープフェイク映像を公開、大谷は「妻の露出に気を使う」スタンス…関係者は「驚きました」
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(27)と伊藤凛さん(26)は、ものの数分間のうちに刺殺されたとされている(飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
「ギャー!!と悲鳴が…」「血のついた黒い服の切れ端がたくさん…」常連客の山下市郎容疑者が“ククリナイフ”で深夜のバーを襲撃《浜松市ガールズバー店員刺殺》
NEWSポストセブン
和久井学被告と、当時25歳だった元キャバクラ店経営者の女性・Aさん
【新宿タワマン殺人・初公判】「オフ会でBBQ、2人でお台場デートにも…」和久井学被告の弁護人が主張した25歳被害女性の「振る舞い」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(Instagramより)
《愛するネコは無事発見》遠野なぎこが明かしていた「冷房嫌い」 夏でもヒートテックで「眠っている間に脱水症状」も 【遺体の身元確認中】
NEWSポストセブン
大谷翔平がこだわる回転効率とは何か(時事通信フォト)
《メジャー自己最速164キロ記録》大谷翔平が重視する“回転効率”とは何か? 今永昇太や佐々木朗希とも違う“打ちにくい球”の正体 肩やヒジへの負担を懸念する声も
週刊ポスト
『凡夫 寺島知裕。「BUBKA」を作った男』(清談社Publico)を執筆した作家・樋口毅宏氏
「元部下として本にした。それ自体が罪滅ぼしなんです」…雑誌『BUBKA』を生み出した男の「モラハラ・セクハラ」まみれの“負の爪痕”
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
米田
「元祖二刀流」の米田哲也氏が大谷翔平の打撃を「乗っているよな」と評す 缶チューハイ万引き逮捕後初告白で「巨人に移籍していれば投手本塁打数は歴代1位だった」と語る
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト