芸能

チャン・ツィイーが訓練した中国武術を見せるアクション映画

『花様年華』『ブエノスアイレス』など、独自の世界を描いてきたウォン・カーウァイ監督、6年ぶりの最新作『グランド・マスター』(5月31日、TOHOシネマズ日劇他全国ロードショー )は、ブルース・リーの師匠としても知られる伝説の武術家イップ・マンの知られざる実話をもとに、中国武術の壮大な歴史を描くアクションドラマの超大作だ。

 映画の舞台は、1930~40年代の中国。中国では、大陸の中央を横断して流れる揚子江を境に、その北側で伝承される武術を北派拳術(河北省、河南省、山西省など)、南側で伝承されるものを南派拳術(福建省、広東省、江西省など)と区別しており、各流派を極めた長は、古より宗師=グランド・マスターと呼ばれていた。

 事の起こりは1936年。北の八卦掌の宗師であるゴン・パオセン(ワン・チンシアン)は引退を決意し、長年に渡り築いてきた南北統一の夢を、自分の後継者に託すことにする。後継者候補は、弟子のマーサン(マックス・チャン)と、南の詠春拳の宗師イップ・マン(トニー・レオン)。

 パオセンの娘で奥義六十四手の唯一の継承者であるルオメイ(チャン・ツィイー)も名乗りを上げる中、マーサンが師匠のパオセンを殺害したのをきっかけに、壮絶な復讐劇と後継者争いが始まる。

 まず注目は、演技とは思えぬ役者陣の身のこなし。トニー・レオンは、イップ・マンの最後の直弟子であるダンカン・リョンから4年に及ぶトレーニングを受け、チャン・ツィイーもそれぞれ違うスタイルを持つ4人の宗師から八卦掌を学んだという。

 そんな彼らの壮絶な格闘シーンは息もつけない。また、雨粒1滴まで美しい映像や、登場人物らの表情で語る秘めた想いなど、これぞウォン・カーウァイという世界が余すところなく堪能できる。

※女性セブン2013年5月9・16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
《訃報》「生きづらさ感じる人に寄り添う」遠野なぎこさんが逝去、フリー転向で語っていた“病のリアルを伝えたい”真摯な思い
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《真美子さんの艶やかな黒髪》レッドカーペット直前にヘアサロンで見せていた「モデルとしての表情」鏡を真剣に見つめて…【大谷翔平と手を繋いで登壇】
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と浜辺美波のアツアツデート現場》「安く見積もっても5万円」「食べログ予約もできる」高級鉄板焼き屋で“丸ごと貸し切りディナー”
NEWSポストセブン
誕生日を迎えた大谷翔平と子連れ観戦する真美子夫人(写真左/AFLO、写真右/時事通信フォト)
《家族の応援が何よりのプレゼント》大谷翔平のバースデー登板を真美子夫人が子連れ観戦、試合後は即帰宅せず球場で家族水入らずの時間を満喫
女性セブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落の原因は》「なぜスイッチをオフにした?」調査報告書で明かされた事故直前の“パイロットの会話”と機長が抱えていた“精神衛生上の問題”【260名が死亡】
NEWSポストセブン
この日は友人とワインバルを訪れていた
《「日本人ファースト」への発言が物議》「私も覚悟持ってしゃべるわよ」TBS報道の顔・山本恵里伽アナ“インスタ大荒れ”“トシちゃん発言”でも揺るがない〈芯の強さ〉
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン