ライフ

噂のコーチングダイエット 「脳だますことが大事」と考案者

ダイエットは「脳だますことが大事」とプロコーチの播摩早苗さん

 ビジネスを成功に導くために、心理学を用いて能力開発を行う「コーチング」。この手法はダイエットにも応用できる、と言うのが『“やせ脳”の作り方 コーチングダイエット』(小学館新書)の著者で、人材開発コンサルタント・プロコーチの播摩早苗さんだ。多くのクライアントをダイエット成功へと導いたメソッド、“コーチングダイエット”について播摩さんに聞いた。薄着になり、体形丸出しになる夏目前の今こそ、肉体改造を!

――コーチングを具体的にダイエットにどう活かしていくのでしょうか?

播摩:ビジネスもダイエットも、課題を持っているのはその人自身。太った理由も、体の状態も人それぞれです。だからまず、障害も理想も明確にして、現状と理想の間にあるギャップを作っている原因をきちっと見つめてから理想に近づけていく。それは、ビジネスで成功するための方法と全く矛盾しません。そのためには“脳をだます”必要があります。

――脳をだますというのは?

播摩:体重管理の最高司令官は、脳なんです。脳の働きは、全自動風呂の水位センサーが湯量に応じた圧力を感知して自動的にお湯を一定量に保つように、願いや意思とは関係なく、体形、体重を設定して調整しているのです。

――脳が決めているんですか!?

播摩:自分で望んでこんな体形でいるんじゃないと思っていても、その体重でい続けようと調整をしているのは脳なんです。例えば、長い間73kgをキープしていた人が3kg減量して70 kgにするよりも、急に5 kg太った人が70 kgに戻すほうが簡単なのです。一気に痩せると一気に戻ろうとしてしまいますが、緩やかに痩せていき6か月維持できれば、その体重を脳が当たり前と思うようになります。つまり理想的なダイエットは、司令官である脳をうまくだましながら、すでに設定されている“肥満度のポイント”を設定し直していくことです。設定できれば体重管理はラクになり、進め方が緩やかになるのでリバウンドがない。あっても少ないわけです。

――頭でわかっていても、くじけてしまう人も多いと思いますが…。

播摩:ダイエットというプロジェクトをチームで進めると考えてみます。チームには3人のメンバーがいます。その3人とは「感情くん」「感覚くん」「理屈くん」です。食べることによる幸福感・充足感を強く求める感情くんと、空腹の苦痛や運動のつらさなど体の不快感を避けようとする感覚くん。この2人の抵抗勢力に対して、意思決定をする役割を担う理屈くんがきちっと向き合っていくことが大事です。2人が何を求めているかを理解し、共感し受け止めてあげる。その上で、3人が合意することができればこのプロジェクトはうまくいくのです。

――合意させる上でのポイントはありますか?

播摩:ビジネスの交渉でも、相手の言い分を聞く「傾聴」、顧客のクレームにも理解を示すなどの「共感」、相手の言い分を聞いたうえでこちらの要望を明確に伝える「説得」という3つのスキルが重要になりますよね。ダイエットでもこの3つが使えます。例えば、ダイエット中、スナック菓子を食べてしまいそうだったら、その思いに「なぜ食べたい?」と「傾聴」し「そりゃ食べたいですよね」と「共感」したのち「今食べなくても問題ないですね」と合理的に「説得」する。意識さえすれば難しいことではなく、習慣として身につけば誰にでもできるようになります。

――ダイエット成功には、「快」がカギということですが。

播摩:感覚くんと感情くんは、不快を避けたがります。彼らにとって、食べるという快(報酬)は、すごく大きい。それは衝動として出てきますから、それ以上の快を理屈くんが見つけて2人と交渉すれば、彼らは気持ちいいことを継続させようと協力的になってくれます。だから、痩せたらどんな素敵なことが起きるかをぜひ想像してください。例えば、女性なら好きな彼をゲットできるとか、男性なら痩せたら今より能力があるように見られて希望の部署に異動できるかもしれないとか。その快をイメージすると、衝動に勝つことができます。

――ほかにもダイエット成功のポイントは?

播摩:メンタル力を強くするためには、潜在意識にある言い分を顕在意識の領域に引き上げる、要は「意識化」することです。そのために、ダイエット中はノートやパソコンなどに体重などの結果を記録するといいですね。それによって情報が顕在化され、決意や行動プランをゆるぎなくしてくれます。目標を数値化するなど「具体化」することも大切です。「ウエストをマイナス5cm、体脂肪マイナス5%」といった感じで、目標を数値化することで、現状とのギャップがはっきりし、食生活や行動を変える必要性を明確にすることができるからです。

 自分の体質に合ったダイエット法を組み合わせて、ここで述べてきたことを実践して“やせ脳”を作っていきましょう。そうすれば、意識せずとも勝手にスリム化し、理想のダイエットができるはずです。自分にとってわくわくする目標を設定し、小さな成功体験を重ねていけば、ダイエットがより楽しくなりますよ。

【播摩早苗(はりま・さなえ)】
人材開発コンサルタント。プロコーチ。フレックスコミュニケーション代表。肥満予防健康管理士。「ビジネスで成功する人は並行してダイエットも成功する」との法則に気づき、ビジネスのメソッドをダイエットに応用。大勢のクライアントのダイエットを成功に導いている。意識転換にて行うメソッドは、リバウンドがないと定評がある。

関連キーワード

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン