スポーツ

逮捕された元巨人選手 ナベツネ氏の考えに影響与えたとの分析

 5月19日、福岡県中間市職員で生活保護費の支給担当だった藤崎靖彦容疑者(44)が、詐欺の疑いで逮捕された。同市職員らによる生活保護費の不正受給事件での逮捕者は、受給者らを合わせ、これで7人目となった。

 この藤崎容疑者は、新日鉄八幡から1990年秋のドラフト会議で、巨人から3位指名を受け、契約金5000万円、年俸720万円(ともに推定)で入団。現役引退後の1994年からは中間市役所で働いていた。プロ野球界では「わずか2年間の現役生活で、一軍出場なし」という寂しい経歴が伝えられている。

 スタートは華々しかった。1年目のグアムキャンプでいきなり一軍に抜擢。しかし、そこで力不足を露呈。二軍のイースタン・リーグでも、わずか14試合出場で4打数1安打と、打席にすらほとんど立てず、ルーキーイヤーを終えた。2年目も、イースタンで17打数2安打8三振。出番すらなく、結果もまったく残せなかった。スポーツライターが語る。

「藤崎は、新日鉄八幡時代、都市対抗野球の大阪ガス戦で、『7番・右翼』として出場し、東京ドーム左翼上段に特大アーチを放った。これがプロ入りのキッカケとなりましたが、果たして3位指名どころか、ドラフトにかかるほどの選手だったのか疑問が残ります」

 1990年代前半の東京ドームは「ホームランの出にくい広い球場」と認識されており、上段に持っていく選手はあまりいなかった。だが、社会人野球は金属バットを使用。そのため、プロで木製バットに持ち替えると、戸惑う選手も多かった。当時、鳴り物入りで入団した中島輝士(1988年、日本ハム1位)、金子誠一(1988年、阪神3位)、住吉義則(1990年、日本ハム1位)など社会人野球出身の長距離砲は大成しないというジンクスまであったほどだ。

 2年目の1992年10月には若手主体の黒潮リーグにも参加したが、巨人に長嶋茂雄監督が復帰し、松井秀喜が入団するなど日本中が沸き上がるなか、同年オフに引退した。

「1987~1991年にかけて、巨人のドラフトは不作続きでした。1987年1位の橋本清がブレイクしたのは6年目ですし、1988年1位の吉田修司や1989年3位の吉岡雄二は、それぞれダイエーと近鉄に移籍した後に大活躍。ほかにモノになったのは、1990年1位の元木大介、1987年2位の後藤孝志くらい。それも、1990年代中盤になってようやくですからね。

 1991年に、読売新聞社長に就任し、巨人へ影響力も持った渡邊恒雄はその惨状を見兼ねて、ドラフト制度の改革とFA制度の推進に乗り出した面は否めない。当時の巨人の主力は原辰徳、篠塚利夫(のちに和典)など野手はベテランばかりになり、若手がまったく育っていなかった。だからこそ、藤田元司監督は藤崎をいきなり春期キャンプで1軍に帯同させたのですが……」(同前)

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
【白鵬氏が九州場所に姿を見せるのか】元弟子の草野が「義ノ富士」に改名し、「鵬」よりも「富士」を選んだことに危機感を抱いた可能性 「協会幹部は朝青龍の前例もあるだけにピリピリムード」と関係者
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン