西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、イヌに食べさせてはいけない植物について解説する。
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6月は、私めの誕生月。幼少のみぎり、お誕生日カードには、アジサイの折り紙なんかが、よく張られたりしておりましたな。
梅雨時のどんよりした時期に咲くからですかね、なんとなく憂いを秘めた美しさを感じる。そんなアジサイ、美しい花には棘があるなんていうけど、棘どころじゃない、なんと毒がある。
なんでも口にしたがる子犬は、要注意。アジサイの葉っぱには、青酸配糖体なる有毒物質が含まれてて、万がイチ食した場合には、摂取量にもよるけど、嘔吐、痙攣、昏睡状態、重度の場合は死にいたる、なんてこともあるらしい。
アジサイ以外にも犬に危険な植物って、結構身近にある。例えばアサガオ、スズラン、ポインセチアにシクラメン、そしてツツジ。ほかにもアザレア、アヤメにアマリリス、ジャスミン、スイセン、ヒヤシンス、オシロイバナにヒガンバナ、さらにさらにフクジュソウ、シャクナゲなどなどなど。
名前になじみはないけど、イヌサフランってのもデンジャラス。観賞用として品種改良したものが、そこそこ身近にある。庭に植えていたイヌサフランを口にして、犬がお亡くなりになっちゃったなんて、そんなニュースも過去に報じられてる。
イヌサフランの毒の成分はコルヒチン。中毒症状はヒ素中毒に似てる、っていう。皮膚の知覚が麻痺し、重症になると呼吸困難に陥って死にいたることも。葉っぱが、山菜として食されるギョウジャニンニクによく似てるってんで、人間が間違って食して事故に至ることもあるんだと。いやぁ、恐ろしや、恐ろしや。
※週刊ポスト2013年7月5日号