西川文二氏は、1957年生まれ。主宰するCan! Do! Pet Dog Schoolで科学的な理論に基づく犬のしつけを指導している。その西川氏が、イヌが走る速さについて解説する。
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体育の日は、10月10日だかんね。元々は、かつての東京五輪開会の記念日だったわけで、当然だかんね。第2月曜日ってのに変えちまって、昔の方が歴史教育的にもいい。私なんざ、そう思うわけよ。
ま、与太話はほどほどにして、今回は体育の日がらみで、犬の運動能力に関してのお話。
走る速度は時速70km。よく耳にするこの速度は、グレイハウンドのもの。身近な犬種では、ダックスで時速27km、柴犬で時速32km程度。コレは飼い主が呼んだときのスピードを競う50m走ってのがあって、その記録からの換算。
かのボルトは、50mのラップタイムで換算すると、時速約32km強。もっとも、犬のはただ飼い主に呼ばれたってんで、走ってるだけ。トレーニングを積み重ね、富と名声、その他諸々をかけて本気を出したら、どうなるかわからん。
速度よりももっと驚かされるのは、その持久力。私のパートナーなんか、自転車で併走させた経験からみて、おそらく時速10km程度なら延々と走れる気がしちまう。
山登りにも何回か連れてってるけど、こっちが息も絶え絶えなのに、それを尻目に軽々と登ってく。
さらにその翌日なんかは、こちらは筋肉痛でアイテテテってな感じなのに、これまた奴らは涼しい顔して、いつもと変わらない。
で、あの持久力の秘密はふたつある。ひとつは長時間の運動に適した筋肉を持ってるってこと。もうひとつは、その心臓の大きさ。中型犬で比較すると、その大きさは体重あたりで人間の1.7倍。ま、生まれながらにしてスポーツ心臓みたいなもん、ってこった。
ところで、巷を賑わす7年後の五輪は夏開催。コレまた納得がいかん。スポーツといえば秋だかんね。開会式は雲ひとつない秋晴れだかんね。昭和39年から、そう決まってんだもんね。あらら、また与太話に戻っちまったぃ。
※週刊ポスト2013年10月25日号