「皆さんが普通に家で食べている家庭料理しか作れないんですけど、喜んでもらえるので、もっとおいしくもっとおいしくと思いながら作ってます」(明子さん)
肉じゃがなどは、よほど早くに行かないとなくなってしまう幻メニューだし、旬の魚(冬ならキスに似た白身のニギス)と野菜の天ぷら盛り合わせ、牛すじ、イカヌタなどが、常に30種類を揃える中の人気品目。
それを運ぶ3代目の吉哉(よしや)さん(49)が、自信の微笑で、
「名古屋の味噌カツ、浜松のうなぎパイに挟まれた豊橋って、ちょっと味では目立ってませんよね。だけど、うちにはこのつまみがあります。じゅうぶん目立ちます」
今日は焼酎ハイボール2缶目だという10年選手が、手を挙げて発言。
「昔からここのつまみはうまいんだよ。最近さらにいけるようになったのは、この酒のせいじゃないか。甘くないから料理の邪魔をしないどころか、引き立てるんだね。ますますこの店から離れなれないよ」(65歳)