芸能

「安堂ロイド」のキムタクはどこかヨン様に似てると女性作家

 歴史的なヒット作の後釜ゆえ、数字の行方が違った意味で注目されてしまう作品。作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏の解釈はこうだ。

 * * *
 キムタク主演「安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~」(日曜21 時TBS系)が、話題を集めています。突っ込みどころ満載、クビをかしげる内容などと評され、随所でチャチャを入れる声がネット上に溢れている、という奇妙な意味で…。

 初回は19.2%だった視聴率も、第3話は13.2%まで下落。そもそも、人工知能を示す「A.I」という単語に古くささ感じてしまったのは、私だけではないはず。

 1980年代前半、日本でも「A.I」=Artificial Intelligence、人工知能研究のブームがおこりました。当時、この言葉に感じたロマンや未来、スリリングさも今は昔。

 それでもあえて、「A.I」という言葉を今掲げるのだから、何か特別な「ねらい」があってのこと。勝手にそう解釈し期待していたドラマでした。

 しかし、蓋を開けると……劣化したキムタクのお肌ばかりが気になってしかたがない。

 キムタクは研究者・沫嶋黎士と人工知能を持つ人型ロボットの安堂ロイド、1人2役を演じています。主人公・沫嶋黎士は早々に殺され、彼にそっくりのアンドロイドが出現。頭の中にOSが搭載されていて、クライアントの意向に従い、一人の女性の命を守るため次々に相手を殺していく。

 その役割を終えると、充電時間。ただの「物体」に戻る。手足がダランと伸びた、でくのぼうに。これって、古色蒼然としたロボットのイメージではありませんか? 使い古されたSFものと、どう違うのでしょう。

 なんて思うとストーリーになかなか没入できず。私の妄想はどんどん膨らんでしまう。キムタクが大写しになる度に、「あー誰かに似ているなぁ」と余計なことばかり考えてしまう。

 今、誰に似ているかが自分の中ではっきりしました。「ヨンさま」です。

 女性的な丸みを帯びた輪郭。ぼよんとした頬、長く伸ばしパーマをかけた髪、縁のあるメガネ。いよいよヨンさまの領域に達した、オバさん味漂うキムタク・アンドロイド。激しく闘うヒーロー像としては、ちょっとつらいものがありますが。

 そうは言っても、このドラマには輝くような魅力もたしかに存在しています。キムタクの相手役・安堂麻陽を演じる柴咲コウに、目を奪われてしまう。

 シャープな美しさをたたえている、瞳や輪郭。以前よりも大人の落ち着きが増した横顔。しかし、その合間にふと見せる表情が、実にチャーミング。かわいらしさの中に気品が漂う。

「この人の透明感も誰かに似ているなあ」とぼんやり感じていたのですが、わかりました。オードリー・ヘプバーンです。

 ということは、「安堂ロイド」は、ヨンさまとヘプバーンが共演する究極のSFラブストーリー? まあSF的奇妙なひねりを効かせるよりも、「冬ソナ」か「ローマの休日」のように、旧来の王道ラブストーリーを、二人にきっとり演じていだたいた方がよかったのかも。

 もの静かで深い、大人の恋を描くドラマの方が、二人の年齢にも時代にも、合っていたのかもしれません。

 とはいえ、「安堂ロイド」の物語はまだまだ続く。後半のドンデン返しに期待しましょう。

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト