景気低迷といわれて以来、酒類の消費量は低迷のニュースばかりがクローズアップされているが、缶入りチューハイは右肩上がりの成長分野だ。日本洋酒酒造組合の統計によればカクテル・チューハイ等発泡性のものは2007年から前年を上回り2013年も拡大する見込み。そのなかでも2011年を1とすると2012年は2.2、2013年は現在のところ3.9と出荷数が前々年比約390%アップの注目ブランドが『キリン本搾り』。記者も飲んでみた。
炭酸飲料であるにもかかわらず、たっぷりの果汁のために缶の中味を混ぜることを推奨している『キリン本搾り』。炭酸なので缶を振ることができないから、ゆっくりと缶を逆さにするのがおすすめの飲み方だという。試しに、逆さにした缶と、逆さにせずにそのままにした『キリン本搾り』をグラスにあけて飲んでみた。すると、果汁が全体に行き渡りアルコールとほどよく調和するのを感じた。
逆さにしたものとしないものでは、味に歴然と差が表れた。缶を逆さにしたものは、まんべんなく果汁の味とアルコールがほどよく混じり合ったが、逆さにしなかったものは飲み始めて途中まではアルコールが強めに、最後は果汁が強めになって味が変わってしまった。見た目の色の濃さも違い、やはり、飲む前にゆっくりと缶を逆さにするのが『キリン本搾り』をもっとも美味しく飲む方法だとよくわかった。
記者も納得の『キリン本搾り』の飲み方だが、チューハイといえば暑い季節の飲み物と思い込みがち。季節については、型破りな試みをしている。
「冬の食事に良く合うチューハイはできないか」
そんな開発陣の思いから『キリン本搾り』に期間限定商品が誕生した。それがこの季節に待望の“冬柑(ふゆかん)”だ。使用される果汁はかぼす、すだち、ゆず、そしてグレープフルーツ。これは、鍋に合う。
「本搾りファンからは、SNSなどを通じて、今年はいつ出るのかなんて声もいただいています。中には予約でケース買いして、ひと冬楽しんでくださる方もいらっしゃるくらいです」(キリンビール マーケティング部 商品担当 帆足賢太郎氏)