ホメるつもりで「流行りのキラキラネームだね」と言ってしまうのは、大きな間違いです。「キラキラネーム」というのはけっしていい意味ではありません。まあ、つけてしまう親の中には、そもそも「キラキラネーム」の概念を知らなかったり、いい意味だと思っていたりするタイプも多そうです。だとしても、本人たちだけは独創的で画期的な名前を付けたつもりでいるので、「よくある名前扱い」したら間違いなくムッとされます。
何はさておき「カッコいい名前だねえ」と言っておくのは当然として、「さすがお前らしいね」と納得したり、「おお、個性的な子どもに育ちそうだね」と感心したりしましょう。微妙にバカにしているように見えるかもしれませんが、きっと言葉どおりに受け取って喜んでくれるはず。
子どもの顔を見て「なるほど、いかにも『○○』って感じだね」と、根拠なく納得するのも一興です。「どういう理由でその名前にしたか」「なぜその文字を使ったか」といった由来も、せっかく考えているんですから質問してあげましょう。
気を付けたいのは、子どもの名前を一度聞いたら絶対に忘れてはいけないということ。キラキラネームをつける親は、自分が考えた(気がしている)名前は常に強烈な印象を与え、相手の記憶に残ると信じています。こっちが内心では「他人の子どもの名前なんてどうでもいいよ」と冷めた気持ちでいるなんて夢にも思わず、うっかり間違えたりあらためて尋ねたりしたら露骨に不機嫌になるでしょう。
こういった点に気を付ければ、いつキラキラネームと遭遇しても怖くはありません。いわば、大人力を鍛えてくれるありがたい名前とも言えます。感謝の気持ちを込めて、名前をしつこく呼びかけながら、力いっぱいその子の頭を撫でてあげましょう。親は満足するし、こっちはこっちで名前を記憶できて一石二鳥です。