全文はインターネット等で検索できるので、ここではポイントだけ述べよう。まず中川氏は誤報であったことは認めた。問題はなぜ誤報を出してしまったのか、その「言い訳」の部分である。ここは原文を引用しよう。
<今回問題となった個所については、当該教科書の「原稿本」が入手できなかったこと、関係者への確認取材の際に、相手が「侵略→進出」への書き換えがあったと証言したことなどから、表の一部に間違いを生じてしまいました>
社会部長といえば現場の総責任者だ。その責任者が「肝心の証拠を入手できなかった」「取材した相手にダマされた」から「誤報を出してしまった」と述べているのだ!
少しでもジャーナリスト経験のある人間ならば、こんな馬鹿な言い訳をする報道機関など世界中どこにも存在しないことがおわかりだろう。ニューヨーク・タイムズであろうがCNNであろうが、こんなこと言ったら直ちにクビだ。
しかも中川社会部長は結局「現場の記者が無能だった」と言って自分の責任逃れをしている。最終的に記事をチェックするのは社会部長の責任なのに、その責任については言及していない。
また、こんないい加減な回答で読者を丸めこめると信じているわけだから、読者をバカにするのにもほどがあると言える。「最低最悪の記事」と言う意味がおわかりだろう。
朝日がこんな強弁をするのは結局「中国様」の御機嫌を損ねたくないからなのだが、この新聞記事は是非「日本新聞博物館」にでも保存して、こんな馬鹿なことを言う社会部長がいた新聞社が存在した(いや今も存在している)ことを記録していただきたい。
※SAPIO2014年1月号