ヘイトスピーチみたいなのは日本だけじゃなくて、どこの国でも出てきているんですね。これからもう一段階景気が悪くなってくると、民族主義者、伝統主義者が政治の世界に入ってきますから、どうなりますかね。まるで100年前に様変わりした気がします。帝政ドイツが経済的に大成長してヨーロッパの序列を揺るがすようになる。それで第一次世界対戦になるんですが、支配体制の違う新興国・中国が出てくるということと似ている。
中国が戦うとなると、一人でやることになるから、周りがみんな敵になる中でひとりで戦争始めるほどバカじゃないと思うんですよ。ただ日本が戦争しないかってというと、それもわかんないなあ。ヘイトスピーチみたいな21世紀の文明国ではもうないよねということが平気で起きてますから、先祖返りする可能性も捨てきれないんだよなあ。
今の日本人は疲れすぎていて、景気が良ければあとはなんでもいいよという気分なんです。ヘイトスピーチは怖いんですけれど、それよりもっと中国・韓国への恐怖感と嫌悪感があるので……。ただ2013年はアベノミクスの「陽の部分」で来年はどうなるかわからないですね。アベノミクスで上はどんどんよくなるけれど、真ん中から下の人には回ってこない。正社員の給料は上がってもアルバイトの時給は上がらない。本当はこんな急激な円安は本当はアメリカは絶対に認めるはずがなかったんですけれど、中国が怖いし、日本の国力を上げるために円安を認めるよと容認してくれた。ある意味で「中国バネ」が効いているわけで、アベノミクスは運が良かった。
フランスのリヨンでは物乞いする子どもが多くて辛かった。でも日本もあと何年かするとそうなるだろうと思います。(談)