ビジネス

桐谷広人氏 株主優待券使い切るために1人でボウリング12回

桐谷さんは優待に追われる毎日

 現金をほとんど使わず、株主優待品のみで生活を続ける異色の投資家として大ブレイク中なのが、「桐谷さん」こと、元プロ棋士の桐谷広人氏。現在は400銘柄の株主優待銘柄を保有しているという桐谷さんが、株主優待投資の魅力と自身の優待ライフについて語る。

 * * *
 優待品の使い勝手も最近変わりつつありますね。ある映画配給会社の優待券は、以前は金券ショップで小分けにして売れたのですが、今では、株主名が記載された表紙がないと無効になる回数券方式に変更され、換金しにくくなってしまいました。結局、自分で使うしかなく、年間約140本の新作映画を観ています。

 もちろん銘柄は入れ替えをしますが、いい優待銘柄は長く保有します。私の場合、松竹(映画配給)の優待券をよく使いますが、これがあるからこそ、埼玉県川口市の映画館に出掛けることができます。

 せっかく川口まで行くので、ついでにコロワイドの優待カードが使える「尾張とんかつ専科 銀豚」に食べに寄り、アルペン(スポーツ用品販売)のアウトレットコーナーを設けている店舗で優待券を使って買い物をします。そこから30分歩き、蕨市のスポーツクラブを株主優待で利用するなど、周辺店舗を巡る楽しみがあります。

 したがって、松竹の株価が値上がりしても売却しません。売ってしまうと、その街に行かなくなるからです。錦糸町や木場にもよく映画を観に行きますが、同様の理由で東京楽天地や東急レクリエーションの株も売りません。

 とはいえ、株主優待株を400銘柄も持っていると、優待券や優待品の期限に追われる毎日です。カタログギフトで商品も選ばないといけない。月末は締め切りに追われて、すごく辛いんです。しかし、優待が紙切れになるのはもっと辛い。優待券を使い切るために1人でボウリングを12ゲーム、必死にボールを投げ続けたこともありました。でも、そうしたことも含め、私には楽しい毎日です。

 株は暴落するのが怖いという声もよく聞きますが、人生にリスクはつきものです。リーマン・ショック時も暴落しましたが、市場は回復している。よほどのことがない限り、耐えていれば大丈夫だというのが実感です。余剰資金で優待銘柄を長期保有しておくのは、定期預金に預けておくのと同じぐらい安全だと私は思っています。いざという時に優待品は命綱にもなる(笑)。優待投資でより楽しい人生を送ることができるのではないでしょうか。

【プロフィール】
●桐谷広人(きりたに・ひろと):1949年生まれ。現役プロ棋士時代から株式投資を始め「財テク棋士」と呼ばれる。2007年に現役引退後、優待投資家として注目を集め、現在『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)にイレギュラー出演中。単行本『桐谷さんの株主優待ライフ』(小学館)が好評発売中。

※マネーポスト2014年新春号

関連記事

トピックス

田久保市長の”卒業勘違い発言”を覆した「記録」についての証言が得られた(右:本人SNSより)
【新証言】学歴詐称疑惑の田久保市長、大学取得単位は「卒業要件の半分以下」だった 百条委関係者も「“勘違い”できるような数字ではない」と複数証言
NEWSポストセブン
本拠地で大活躍を見せた大谷翔平と、妻の真美子さん
《真美子さんと娘が待つスイートルームに直行》大谷翔平が試合後に見せた満面の笑み、アップ中も「スタンドに笑顔で手を振って…」本拠地で見られる“家族の絆”
NEWSポストセブン
“高市効果”で自民党の政党支持率は前月比10ポイント以上も急上昇した…(時事通信フォト)
世論の現状認識と乖離する大メディアの“高市ぎらい” 参政党躍進時を彷彿とさせる“叩けば叩くほど高市支持が強まる”現象、「批判もカラ回りしている」との指摘
週刊ポスト
国民民主党の玉木雄一郎代表、不倫密会が報じられた元グラビアアイドル(時事通信フォト・Instagramより)
《私生活の面は大丈夫なのか》玉木雄一郎氏、不倫密会の元グラビアアイドルがひっそりと活動再開 地元香川では“彼女がまた動き出した”と話題に
女性セブン
バラエティ番組「ぽかぽか」に出演した益若つばさ(写真は2013年)
「こんな顔だった?」益若つばさ(40)が“人生最大のイメチェン”でネット騒然…元夫・梅しゃんが明かしていた息子との絶妙な距離感
NEWSポストセブン
前伊藤市議が語る”最悪の結末”とは──
《伊東市長・学歴詐称問題》「登場人物がズレている」市議選立候補者が明かした伊東市情勢と“最悪シナリオ”「伊東市が迷宮入りする可能性も」
NEWSポストセブン
日本維新の会・西田薫衆院議員に持ち上がった収支報告書「虚偽記載」疑惑(時事通信フォト)
《追及スクープ》日本維新の会・西田薫衆院議員の収支報告書「虚偽記載」疑惑で“隠蔽工作”の新証言 支援者のもとに現金入りの封筒を持って現われ「持っておいてください」
週刊ポスト
ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン