国内

韓国から密入国可能性の内閣府職員 妻と会うためとの指摘も

 2月1日、第七管区海上保安本部は、北九州市若松区沖で、内閣府の男性職員・A氏(30)が遺体で発見されていたと発表した。韓国からゴムボートで日本に密入国しようとしたと見られている。

 A氏は東京大学大学院を経て、内閣府にキャリア採用されたエリート官僚だ。現在は内閣府のシンクタンク「経済社会総合研究所」に所属しながら、昨年7月より米ミネソタ大学大学院に留学していた。A氏は韓国で開かれた「アジア-パシフィック社会科学会議」という経済セミナーに出席する予定で、内閣府には事前に参加申請を出し、1月7~12日までの日程で出張が認められていた。

 実はこの韓国行きの経緯については、A氏の友人たちの間でも疑問の声が上がっているという。

 A氏はミネソタ大学以前にも、過去に2度、海外へ長期留学している。高校卒業後に留学したカナダのマギル大学で友人だったという日本人男性が語る。

「彼とは在学中、時々ご飯を食べたり、クラブに行ったりする仲でしたが、印象に残っているのは、彼が当時からキャリア官僚を目指し勉強をしていたこと。日本の官僚を目指す人が海外の学校にいるのは珍しかったから、それだけパブリックマインドが高いんだろうなと思っていた。社交的というより、深く物事を考えて話すタイプでした。

 その後、ミネソタ大大学院に入ったと聞いて、あそこはマクロ経済学では世界でもトップクラスの大学だから、あれからさらに相当勉強したんだろうなって。

 ただ、気になるのは、彼が参加しようとしていたソウルのセミナーは、韓国や日本の研究者が中心の学会で、レベルも高いものではなく、わざわざ旅行して出るようなものではないんです。なぜそんなセミナーに行ったんでしょう」

 その疑問が、「アリバイ作り」疑惑につながってくる。だが、仮に彼が韓国入りをアリバイにして日本へ「密入国」しようとしたとして、何が目的だったのだろうか。

「彼には、内閣府に就職してから職場で知り合った奥さんがいて、いまは日本で暮らしています。実は、A氏はこの奥さんとある事情でトラブルを抱えており、彼は周囲に『結婚届も勝手に出された』とまでいっていたという。

 もしかして、その奥さんに何らかの形で極秘に接触するために、密入国を試みたのではないか。通常、韓国から密入国する場合、対馬あたりを狙うことのほうが多い。わざわざ北九州を目指したのは、その後本州にすぐ行けるからだったのではないか」(海保関係者)

 公務員として留学している間は、よほどの理由がない限り、日本へ帰国することが認められない。A氏はソウルで会った友人にも、「日本に帰れない」と吐露していたという。

※週刊ポスト2014年2月21日号

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