「他局がよくやるひな壇に有名タレントをずらっと並べる番組はテレ東では予算的に完全NGです。
となると、出演者は素人や一般人になります。もちろん素人なのでカメラの前で面白い話をできるわけでもないし、芸人のようなリアクションは取れない。必然的に企画で勝負せざるを得なくなるんです」(前出・放送作家)
確かにテレ東の番組には多くの一般人が登場する。古くからの看板番組である『TVチャンピオン』『開運! 何でも鑑定団』はいずれも素人参加番組。
『モヤモヤさまぁ~ず2』の他、海外の意外な地域で活躍する日本人にスポットを当てる『世界ナゼそこに? 日本人』(月曜21時~)や有名人が田舎の家庭をアポなし訪問する『田舎に泊まろう!』なども素人の魅力をいかに引き出すかが番組の生命線である。
その好例が『YOUは何しに日本へ?』(月曜18時30分~)だ。
来日する外国人をスタッフが成田空港で勝手に出迎え、その場で交渉して日本観光に密着するゆる~い番組。だが、出演者が外国人でしかも素人という2重のハードルを逆手に取って武器に変え、彼らの目を通して新鮮な日本を感じることができる。
「日本に来たばかりの外国人についていって、様々な観光地を訪れるだけ。リスクが高く他局では絶対に通らない企画です(苦笑)。
でも、番組が普段見慣れているはずの日本の多彩な面を見せていくことで、視聴者の興味が自ずと広がっていく。ディレクターやスタッフは裏で相当苦労してると思いますよ。有名タレントに頼る番組制作と違って、展開が読めないですからね」(前出・放送作家)
※週刊ポスト2014年2月21日号