1978年に社長に就任した鈴木氏は、36年間トップを務めるカリスマだ。1989年からは国内外の工場をそれぞれ1日かけて隅々まで歩き、ムダがないかをチェックする「工場監査」を年1回実施している。それもコスト削減の原動力だ。

 軽自動車業界への大きな逆風となるのが、4月からの消費増税と前述の軽自動車税増税である。現在の年7200円が2015年4月から1.5倍の1万800円となる。

「市町村税である軽自動車税増税は総務省の悲願。今回は周到に準備した総務官僚の力が大きかった。霞が関主導と言っていい。特に昨年末は土俵際まで押し込むスピードに、業界も経産省も対応できなかった」(メーカー幹部)

 今後は税制改正大綱に盛りこまれた「軽課」が焦点となる。これは環境性能の高い車を減税するもので、これまで軽自動車税にはなかった。年末までに内容が詰められる。「本当の戦いは今年の年末にかけて。鈴木修会長と再びタッグを組む」(伊奈会長)

 軽自動車は税制改正に揺れ、岐路に立たされている。鈴木会長も「(消費税が上がる)2014年は厳しい年になる」と語っている。

■永井隆(ジャーナリスト)とSAPIO取材班

※SAPIO2014年3月号

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