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軽自動車税増税対抗 ダイハツ会長がスズキ会長と共闘宣言

「心の中は燃えちぎっている。どこかで恨みを晴らしたい」
「戦いがすべてすんで、日が暮れたわけではない」
「初めて経験した。世論を無視した腕力を」

 スズキの鈴木修・会長兼社長(84)は、昨年末に決まった軽自動車税の増税について問われ、そう語気を強めた。スポーツ用多目的車(SUV)タイプの軽「ハスラー」の発表会見(12月24日)での発言である。

 浜松市に本社を置くスズキの売上高は約2兆8000億円(2014年3月期予想・前期比8.6%増)で、従業員数は約5万7000人(いずれも連結)。四輪車の世界生産台数は約292万台(2013年度予想)で、世界9~10位に位置する。うち国内生産は3分の1にあたる約99万台。残りの海外生産のうち半分の約100万台はインドが占める。一方、国内販売は2013年度予想で68万2000台(前年度比1.5%増)で、うち88%の60万2000台が軽自動車である。

 国内の軽市場は拡大している。2013年の他社も含めた軽自動車の総販売台数は211万台で過去最高。登録車を合わせた新車販売台数全体のうち約4割を軽が占める。

 軽市場のシェアはダイハツとスズキの2社で6割を占めるが、ここに来て3位のホンダが急伸。2011年12月に発売した「N-BOX」をはじめとするNシリーズの大ヒットが貢献した。

 2006年まで34年間にわたって軽トップだったスズキについて聞くと、ダイハツの伊奈功一会長はこう語った。

「スズキさんの車を安く作る技術はすごい。我々が見習う部分は多い」

 元トヨタ専務の伊奈氏は、生産技術の専門家だ。同氏をして「すごい」と言わしめたスズキのコスト削減の真髄を示すエピソードがある。

 鈴木会長がある大手部品メーカーを訪ねた時、庭に大きな噴水があった。応接室で部品メーカー社長と向き合った鈴木氏は「立派な噴水ですね」と褒めた後、やおら言った。

「スズキの部品を作っている間はあの噴水を止めて、その分、部品の値段を負けてくれませんかね」

 以来、鈴木氏の訪問時、同社は噴水を止め電灯もできる限り消すようになった。

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