【理由3:掲載誌にせがまれた】

 学術論文の発表媒体の間にも、激しい競争がある。小保方さんが論文を発表した英科学誌『ネイチャー』には、米科学誌『サイエンス』や細胞生物学に強い『セル』という強力なライバルがいる。

「京大の山中教授がiPS細胞の論文を『セル』で発表したように、他の2誌と熾烈な争いをしている。そんな状況下で、『ネイチャー』が小保方さんに早くウチで発表してほしいと要求していたことも容易に想像できる」(別の30代の研究者)

 小保方さんのように、若くて地位のない研究者にすれば、世界的な科学雑誌からの“要求”は相当なプレッシャーだったのではないかとこの研究者は指摘する。

【理由4:他の研究者の嫉妬】

「時間の制約のなかで、ある程度、杜撰に論文を作るというのは、実は他の研究者でもよくある話。今回、奇しくも明らかになったのは、他の研究者も論文の捏造について非常に詳しかったということだ」(同前)

 小保方さんの疑惑が次々に明らかになったのは、他の研究者がみんな同じようなことをしているからこそ「パターンがよくわかっていた」(同前)ためではないかというから、本当であれば皮肉な話だ。

※週刊ポスト2014年3月28日号

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