渡辺:私のアナウンサーとしてはもちろん、実はクルマの師匠が久米(宏)さんなんです。本当にクルマがお好きで、知識のない私にいろいろ教えてくださって。ある時、通勤のクルマでどうぞって、流行ってたCDを差し上げたんです。「じゃあ家で」とおっしゃるので、クルマで聞かないんですかと尋ねたら、「クルマは無音、エンジンの音を聞くんだ」と。ちょっと驚きますよね(笑い)。でも、なるほどって納得しました。
神野:講習ではよくイチとゼロは違うという話をするんです。「モビリタ」は、“危険を安全に体験する”ところだから、そこで体験した危険1回が運転に対する気持ちを変えてくれます。例えば欧州では、わが子が免許の取れる誕生日を迎えたら、1日5万円以上もする安全運転講習に参加させるんです。家の玄関をでたら150km/h以上で走る世界があるから、それが常識なんですね。
渡辺:そう考えると、こうした講習を受けることはドライバーにとって必要で、ある意味義務でもある気がします。実はこういう施設があると知って、とても興奮しています。近いうち、私も受講にうかがいます。
●神野利夫(かんの としお)トヨタ自動車 社会貢献推進部 グローバル企画室 交通安全推進グループ チーフエキスパート。入社以来33年間、車両開発ドライバーをつとめ、同時に社内テストドライバーの最高ランク、S2級を育成する教官でもあった。2003年に「モビリタ」の立ち上げに参画し、昨年末までチーフインストラクターとして活躍。現在はこれまでの経験を活かし、国内外の交通安全活動の企画推進を行なう。
●渡辺真理(わたなべ まり)アナウンサー 神奈川県横浜市出身。1990年、TBSへ入社、「モーニングEye」「筑紫哲也 NEWS23」などでキャスターを務め、1998年にフリーへ転向。その年から2004年まで「ニュースステーション」で久米宏氏とコンビを組んだ。現在もTVやラジオ等を中心に多方面で活躍中。愛車はプリウス。