日本国内の金価格はドル円相場の影響を受けるため、ドル建て金価格が下落したにもかかわらず、円安の影響で国内価格はあまり下がっていない。3月中旬現在、1ドル=103円付近、国内金価格は1グラム=4500円前後(税抜き)で推移している。ドル円が100円~101円近辺まで落ち、国内価格が4000~4100円に下がった時は、買いのチャンス到来といえる。
投資の手段としては、金現物よりも金ETFのほうが金額ベースで小口から買うことができ、コストも抑えられて使い勝手がいい。日本国内で金現物と交換(一定口数以上)が可能な金ETF「純金上場信託」(愛称「金の果実」)という選択肢もある。だが、金を保有しているという実感を持ちにくいかもしれない。実物資産として手元に置きたいなら、金貨などが向いているだろう。
日銀による金融緩和が本格化する見通しの国内では、将来のインフレの可能性を考えて金の購入を検討する投資家が増えている。金は利息がつかないが、ヘッジとしての役割がある。比較的まだ円高水準にあるうちに、金を資産の一部に組み込むのも一考である。
※マネーポスト2014年春号