山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
参院選出馬会見(6月10日)の翌日、国民民主党から公認を取り消された山尾志桜里・元代議士。玉木雄一郎・代表は「会見はエンドレスで」と注文をつけ、実際に会見は8年前の不倫問題をめぐって3時間にわたり続いたが、その翌日に急転直下の展開となった。
「玉木さんと元グラドルとの不倫問題以上に厳しい質疑になっている。男性以上に女性が厳しく追及されることに違和感は持っている」
山尾氏の会見でそう同情的な言い方で質問したのは、普段は厳しい追及で知られる東京新聞の名物記者・望月衣塑子氏だった。
昨年11月、玉木氏が地元の観光大使だった元グラドルとの不倫が発覚した際、謝罪のうえ3か月の役職停止の処分で代表復帰したことを念頭に置いた質問である。
望月氏は山尾氏と中高の同窓生だというが、今回の公認取り消しをどう見ているのか、話を聞いた。
「山尾さんは、参院選出馬は玉木代表から声を掛けられ、要請されたと言っている。だから本人は覚悟を決めて立候補を決意した。その時点で恐らく玉木代表は、山尾さんには不倫の問題があるが、自身の不倫問題も乗り切れたからと影響を甘く見たのではないか。会見では8年前の件についてはゴメンナサイを繰り返すばかりでしたから、“これでは厳しいな”と私も感じました。
ただ、彼女の政治に対する気迫は感じられた。本気なのだと。
ところが、玉木代表はネットで強い批判が出ると、掌返しで公認を取り消した。自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと判断すると即切り捨てる。国民民主党はこういう対応をする政党であることを世間に知らしめたわけです」
山尾氏公認で支持率が急落したとされる国民民主だが、この取り消しはどう受け止められるのだろうか。
※週刊ポスト2025年6月27日・7月4日号