これに加えて、ミシェル夫人一行が訪問する場所は、事前に米政府関係者が下見をしなければならず、「通常、これらの事前準備スタッフは随行団の3倍以上」と同紙は報じている。
今回の訪中に限らず、ホワイトハウス担当の記者団から大統領や副大統領、あるいはファーストレディの外遊費用について毎回質問が出るが、ホワイトハウス側は「セキュリティ上の問題があり、公表できない」として、これまで1回も公表したことはない。額が公表されれば、人員数などから、シークレットサービスなど、どのようなセキュリティを組んでいるのかが分かってしまうからだ。
ちなみに、例外として、1999年のクリントン大統領の中国、アフリカ、チリ訪問時の費用について、米会計検査院による推定額が報じられている。訪中費用は1800万ドル(今のレートで、18億円)、アフリカ諸国歴訪は4300万ドル、チリは1050万ドルとなっている。
大変な額だが、2001年の9.11以降はさらにセキュリティが厳重になっており、この数倍に膨れあがっていることが予想される。
例えば、オバマ大統領夫妻が2010年11月にインドを3日間訪問した際、インド紙は「米国代表団の1日の費用は2億ドル」と報じた。これについて、ホワイトハウスは「あまりにもけた外れ」と否定したものの、詳細は公表していない。
ミシェル夫人が2010年8月4日から8日まで、娘たちと一緒に、プライベート旅行としてスペインに滞在した際の費用は45万ドルだった。プライベートとはいえ、エアフォースワンを使わざるを得ず、随行のスタッフも含めると、莫大な額になる。
これについて、米国の民間団体「納税者のための政府監視機構」は「大統領やファーストレディは外遊すべきではないとは言わないが、その費用は税金から出ている以上、その額を公表すべきだ」と主張している。