二つの質問は今回の騒動の本質ではない。なぜ取材記者は本質でもない、ゲスい質問をするのだろうか。とくに週刊誌のライターは。ゲスいライターのひとりとして答えるなら、「読者が知りたいことがそこにあるから」ということになる。
建前に聞こえるかも知れないが、記者は「読者の代表」として記者会見に臨席している。だから自分のメディアの読者が好みそうな質問は、自分の趣味ではなくても聞かざるを得ないときがある(逆にいうと、そう捉えないとやってられないところもある)。先述の説教記者がダメというのは、記者が説教する立場にないことに加え、それが誰の代表にもなっていないからだ。
記者会見がネットで生中継されるようになって、取材活動の可視化が進んできた。取材する側としては緊張もあるが、メディアの特性、記者の質問の巧拙も比較しながら見るとけっこう面白い。