そして、原則的に「目標レートは取引開始時点で決まる」ことになった。以前は、為替の値動きによって目標レートが追加されたりしたが、新ルールでは固定される。その代り、オプションの価格が値動きにより変化するようになっている。

 また、新しいメリットといえるのが、「投資できない価格帯を設けることの禁止」。以前は、例えば、基準レートと取引終了時のレートが同じだと、すべての予想が外れたことになり、FX会社の“総取り”となっていた。この”総取り”は他のケースでも起きることがあり、疑問視するユーザーも多かった。そこで新規制はFX会社の”総取り”を禁止している。

 最後は「ポジションの解消」。これは、いったん購入したオプションを、取引終了時の前に売却することができることを意味しているのだが、これによって、バイナリーオプションを活用する余地が大きく広がった。

 取引開始時にオプションを購入した場合、もし相場が予想と反対方向に大きく動くと、目標レートに到達する可能性が小さくなるため、オプション価格はドンドン下落してしまう。為替レートが目標レートとかけ離れてしまう前に売却できれば、ある程度損失を食い止められる。

 逆に、相場が予想した方向に動けば、オプション価格は購入価格よりも値上がりする。そこで売却すれば利益確定ができる。ポジションの解消ができるようになったことで、損失および利益を途中で確定することが可能となったのだ。なお、この途中売却は、取引時間中は何度も繰り返せる。

 バイナリーオプションは、ラダー型だけでなく、ワンタッチ型やレンジ型といったタイプもある。また、IG証券のように、FXだけでなく、日経225やNYダウなどの株価指数や、NY原油(WTI)先物、NY金先物といった商品指数を取引対象とする、バイナリーオプションもある。こうした商品は、現物や先物投資のヘッジとして活用することも可能。バイナリーオプションへの注目度は、ますます高まるだろう。

※マネーポスト2014年春号

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